ニッセイは、新興国株とバランスファンドを0.0999%に値下げすべし

ニッセイアセットマネジメントは、5月23日付けでプレスリリースを出し、ニッセイ外国株の信託報酬を税抜0.0999%に引き下げる旨を発表しました。

●ニッセイ、6ファンドの値下げを正式発表
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1337.html

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ニッセイ外国株の運用会社報酬は、0.04425%から0.0354%に下がります。
その差は0.00885%です。

ニッセイ外国株の純資産額は1176億2800万円ですから、ニッセイアセットマネジメントの売上げは5205万0390円から4164万0312円に下がることになります。
失われる売上額は1041万0078円です。

これに対し、スリム先進国株が対抗値下げをしたとしても、失われる売上額は195万4498円にとどまります。

スリム先進国株の純資産額 429億5600万円
引き下げ前の報酬 0.0445%(1911万5420円)
引き下げ後の報酬(推定) 0.03995%(1716万0922円)


ニッセイにとってもスリムにとっても、シリーズの中で最大の純資産額を誇るのは先進国株ファンドです。
しかし、両者にとって、その重要性は全く異なります。

ニッセイアセットマネジメントにとっては、ニッセイ外国株はインデックスファンド事業の中核をなす大切な商品です。
これに対し、三菱UFJ国際投信にとっては、スリム先進国株は遊んでいたマザーファンドを有効活用しただけの意味しかありません。

運用報告書を見ると、マザーファンドの元本886億円のうち、ニッセイ外国株の元本は603億円ですから、ニッセイ外国株だけでマザーファンドの68%を占めます。

これに対し、スリム先進国株は、マザーファンドの元本1370億円のうち、スリム先進国株の元本は1億9000万円(2017年5月12日現在)にすぎません。
これはマザーファンドの0.14%です。

スリム先進国株がいかに既存のマザーファンドにタダ乗りしているかが分かります。

今回、ニッセイアセットマネジメントは、旗艦ファンドであるニッセイ外国株の信託報酬を0.0999%に引き下げるという勝負に出ましたが、これによりニッセイアセットマネジメントのインデックスファンド事業の売上げが大打撃を受けることになります。

これに対し、三菱UFJ国際投信にとっては、スリム先進国株のインデックスファンド事業における依存度は低いことから、三菱UFJ国際投信は気軽に対抗値下げを行うでしょう。
今回の対抗値下げによって失われる売上げは200万円弱にすぎないことからも、対抗値下げをためらう理由はありません。

私は、商売の手段として、価格競争は悪手であると考えています。
安さで釣った客は、より安い競争相手が出現すれば簡単に裏切るからです。

しかし、ニッセイ外国株は安さを売り文句にして登場しただけに、コスト競争に消極的というイメージがついた瞬間に顧客離れが起きるリスクを抱えています。
他方で、ニッセイアセットマネジメントにとって、ニッセイ外国株はインデックスファンド事業の中核をなすものだけに、安易な値下げはインデックスファンド事業に大きな打撃を与えてしまいます。

ならばどうするかですが、私は、重要なことは、実際の安さではなく、コスト競争に積極的であるというイメージを顧客に持ってもらうことだと考えます。

その意味で、ニッセイ外国株が真っ先に0.1%の壁を越えて見せたことは、極めて大きな意味があったといえるでしょう。ニッセイがやらなくても早晩どこかがやったでしょうから、どうせやるなら真っ先にやるべきだからです。
しかし、4資産均等バランスファンドをスリム8資産均等バランスと同率値下げにとどめたのはよくありませんでした。

スリムシリーズにとって、最大の純資産額をもつファンドは先進国株ファンド(429億円)ですが、2番目は8資産均等バランス(253億円)、3番目はS&P500(179億円)、4番目は新興国株(153億円)です。

しかし、ニッセイなしなしシリーズにとっては、バランスファンドは4資産・6資産・8資産の全てを合わせても39億4700万円、新興国株ファンドに至っては9億円にすぎません。
これらの信託報酬を引き下げたとしても、ニッセイなしなしシリーズの売上げにはほぼ影響しないのに対し、スリムシリーズにとっては2位と4位であり、売上げに重大な影響が生じます。

スリムシリーズの純資産額が大きくなればなるほど、代田常務の社内政治力が増します。
代田常務の悲願である「日本のバンガード」を目指すには、つみたてNISAでシェアを取ることが最短の近道です。代田常務が力を増すほど、採算を度外視した施策を次々に打たれてしまうリスクが増えることでしょう。

そこで、私は、ニッセイアセットマネジメントに対し、バランスファンドと新興国株ファンドの信託報酬もまた0.0999%に下げることを勝手に提案します。

これをやると、スリム先進国株がかつて0.1095%という異次元の値下げをしたときを上回る衝撃が起こるものと思われます。
スリム先進国株が異次元の値下げをしたといっても所詮は雪だるま先進国株に対抗値下げをしただけであるのに対し、ニッセイなしなしシリーズは前人未到の新世界に自ら真っ先に乗り込むわけですから、覚悟の違いを端的に示すことができるからです。

繰り返しますが、重要なことは、ニッセイなしなしシリーズにとって、バランスファンドと新興国株ファンドは重要な位置を占めてはいないことから、売上げに対する悪影響を気にすることなく気軽に値下げすることができるという点です。

そして、ニッセイがバランスファンドと新興国ファンドで0.0999%に値下げすれば、スリムシリーズに大打撃を与えた上で、コスト競争に積極的であるというイメージを手にすることができるでしょう。


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ブログ開始日 2016年3月1日

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●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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