eMAXIS Slimシリーズがニーサの日に1000億円に到達

「業界最低水準の運用コストをめざす」というキャッチフレーズで登場し、その有言実行によって投信ブロガーの心をつかんだイーマクシススリムシリーズですが、2月13日(ニーサの日)にシリーズ全体の純資産額が1000億円に到達しました。
https://www.am.mufg.jp/text/release_190214.pdf




※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●【追記あり】革命的なバランスファンドなどない
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1216.html


※現在開催中の楽天市場で何を買うか迷ったときは、下記記事を参考にしてみてください。

●楽天市場ではこれを買え
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1211.html

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イーマクシススリムを含むイーマクシスシリーズ全体の純資産額は、2月13日付けで3557億6600万円ですので、

イーマクシス 2500億円
スリム 1000億円

ということになります。

シリーズ全体の純資産額の推移は、下記サイトでグラフ化されています。
https://emaxis.jp/index.html


スリムシリーズは2017年2月に誕生しました。
シリーズ全体の純資産額の推移のグラフを見ると、2017年1月の純資産額は2500億円に到達したかどうかですので、この2年間でスリムシリーズの1000億円が単純に加算された格好になります。

もちろん、実際にはこれほど単純なことではありません。

例えば、スリム先進国株の基準価額は2年前の1万円から1万1377円に増えており、先進国株ファンドの純資産額はこの2年間で1.1377倍に自然に増加したことになるからです。
イーマクシスシリーズの純資産額が2年前と同じ2500億円ということは、自然増加の分だけ解約されてしまったことを意味します。

とはいえ、スリムシリーズを投入しなければ、スリムシリーズが獲得した1000億円は他社の同種の超低コストファンドに流れただけでした。
超低コストを志向する顧客を三菱UFJ国際投信にとどめたという意味で、スリムシリーズの意義は極めて大きいといえます。


さて、スリムシリーズは、アイドルタイム休憩なしに通しで営業する飲食店のようなものです。
飲食店がランチ営業の後に一旦閉店し、ディナー営業時に開店したとしても、この間のアイドルタイムにも固定経費がかかります。
そこで、「どうせ店を閉めても固定経費がかかるのであれば、客入りが少なくてても通しで営業してしまえ」という発想が生まれるわけですね。

スリムシリーズの背後には巨額のマザーファンドが存在します。
スリムシリーズを販売しても、マザーファンドのファンドマネージャーがスリムシリーズのファンドマネージャーを兼務するだけですから、余計に人を雇う必要もなく、特別なオフィススペースも不要です。



どれだけ安くしても、売れば売るほど儲かる。



これがスリムシリーズの安さの源泉でした。


しかし、スリムシリーズを運用する三菱UFJ国際投信には、イーマクシスシリーズという一世代前の低コストファンドシリーズがあります。

スリムシリーズがイーマクシスシリーズの顧客を食ってしまう(イーマクシスシリーズの顧客がスリムシリーズに乗り換える)現象が起きれば、三菱UFJ国際投信にとって悪夢でしたが、イーマクシスシリーズは純資産額をそれほど減らすことなく踏ん張っています。
これはおそらく銀行や非ネット証券会社などの販売窓口のおかげでしょうし、好調な運用成績が多額の含み益を生み出しており、解約する際に徴収される源泉徴収税のせいで、乗り換えるとかえって損をすることも影響しているものと思われます。
いずれにしても、ネット証券会社を活用しているのは一般的ではなく、ごくごく一部の限られた顧客(変態的なマニア)だけであることが分かります。

私は、たわら先進国株が登場したとき、その運用会社であるDIAMアセットマネジメントは、それまで個人客に対する販売チャンネルを持たず、法人営業が中心であったことから、後顧の憂いなく全力を挙げて超低コストに邁進するものと考えていました。
そのため、スリム先進国株が登場した後もたわら先進国株を推奨してきたわけですが、まさか途中で変節し、販売チャンネルの多様化を試みるとは想定外でした。DIAMアセットマネジメントが途中で合併し、アセットマネジメントONEになったことも影響しているのかもしれません。

超低コストに関して最もポテンシャルが高かったたわらシリーズが脱落した現在、超低コスト戦争は、スリムvsニッセイの一騎打ちの様相を呈しています。
私は、単独で純資産額1000億円に到達したニッセイ外国株が覇者になるものと考えていましたが、先月のFOY(投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018)でスリム先進国株が1位となり、ベスト10に5ファンドが入賞、ベスト20に7ファンドが入賞するという驚きの結果によって超低コスト戦争はまだまだ勝者が見えなくなりました。

さらなる超低コストのためには、ニッセイ外国株の一人勝ちは好ましくなく、複数のファンドが超低コストを競い合う状況が望ましいと考えます。
スリムシリーズの1000億円到達は、ニッセイ外国株が単独で1000億円に到達したことに比べるとインパクトに欠けますが、まだまだ勝負は終わってはいません。

スリムシリーズは、現在、FOY2018の1位のほか、ベスト10の過半を制したという実績を宣伝材料にして販促活動にいそしんでいます。
来月にもスタートする直販が素晴らしいサービスを顧客に提供するのであれば、スリムシリーズの躍進を手助けする格好の武器となることでしょう。


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コメント

No title

過去に競合していたSMTに圧勝したのはスリムの功績ですね。
i-SMTは対抗値下げをしないようで純資産が少ないです。

TOPIXと日経平均だけですが、DC以外で同じマザーファンドを使用する信託報酬の低いファンドを新規に設定したのはニッセイの方が先なのは興味深いです。
(ベビーファンドのベンチマークは既存のが配当抜きで、新規のが配当込みです)

同一指数のインデックスファンド間の乗り換えは、税金の繰り延べをさせてほしいです。

No title

イーマクシスシリーズとスリムシリーズの代替・補完関係の分析は興味深かったです。

イーマクシスの戦略の成功を受けて、将来、たわらもたわらスリムシリーズを投入してくることは・・・期待できないですよね。

No title

コメントありがとうございます。

>過去に競合していたSMTに圧勝したのはスリムの功績ですね。
i-SMTは対抗値下げをしないようで純資産が少ないです。

なぜスマートシリーズがi-SMTを出したのか分かりませんよね。
もっとも、儲けの点からいうと、SMTグロ株が圧倒的な王者です。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1183.html

>DC以外で同じマザーファンドを使用する信託報酬の低いファンドを新規に設定したのはニッセイの方が先なのは興味深いです。

ニッセイは、SBIポイントが0.2%付与されるお宝ファンド、ニッセイ日経225があるのがいいですよね。
今にして思えば、DCファンドの一般開放の走りでした。

>イーマクシスの戦略の成功を受けて、将来、たわらもたわらスリムシリーズを投入してくることは

たわらシリーズこそ超低コストファンドシリーズになるはずだったので、更なる別シリーズはないでしょうね。
既保有者のために、せめてもう少し値下げしてほしいものです。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入(+特定口座で4万円×4回=毎月16万円の積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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