運用者と顧客との間の信頼関係は、低コストと安定運用で築かれる

セゾン投信の中野社長の2月8日付けのコラムを読みました。


●つみたてNISAの投信 「信じて託せるか」で選ぼう
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO40606150Z20C19A1000000?channel=DF280120166603&style=1&page=2
投資信託は、読んで字の如く「投資を信じて託す」ための器です。託す相手は証券投資理論に立脚した専門性と知見を持つ運用者(運用会社)。投信の保有者にとっては、信頼に足る運用会社なのかの見極めが最重要だと言えます。
このコラムでお伝えしてきた資産形成の肝は長期投資、つまり投資対象の資産を長い時間をかけて保有することです。これを実践するには、運用者との強い信頼関係があることが前提となります。
先述した通り、投信は「集団投資スキーム」です。それは、1人では到底無理な多くの資金を活用した分散ポートフォリオでの運用を実現してくれる、優れた仕組みです。ゆえに投信の保有者は共同体のメンバーと言え、同じ目的・目標を共有していることが将来の運用成果を支える重要な要素になります。つまり長期資産形成に資する投信の良しあしは、同じ目標を持っているかというお金の質も重要なポイントとなります。



※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●今日もペイペイ、明日もペイペイ、毎日がペイペイ
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1213.html#more


※現在開催中の楽天市場で何を買うか迷ったときは、下記記事を参考にしてみてください。

●楽天市場ではこれを買え
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1211.html

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しかし、インデックスファンドの運用会社と顧客との間の信頼関係とは、中野社長が強調するような「ふわっとした理念」ではありません。


低コストと安定運用(指数との乖離率を極力ゼロに近づけること)


この2点に真剣に取り組んでいる運用会社は顧客の信頼を獲得し、この2点を懈怠した運用会社は顧客の信頼を喪失するという、ただそれだけの単純なことです。


ニッセイ外国株には、古参の投信ブロガーを始めとする根強いファンがいます。
運用会社と顧客はチームニッセイ(@わかま屋)と呼ばれるほどの強い絆で結ばれ、その岩盤のような支持層は他を圧倒しています。
ニッセイ外国株が顧客と強い絆で結ばれている理由は、簡単です。
2017年12月のスリム先進国株の異次元の値下げに対抗し、それよりもほんのわずかではありますが、単独最安値を更新してみせたからです。

ニッセイ外国株の値下げは、巨額のマザーファンドを買うだけファンドであるスリム先進国株の気楽な対抗値下げとは質が違います。
スリム先進国株が値下げをしても三菱UFJ国際投信は何も感じませんが、ニッセイ外国株が値下げをすると、ニッセイアセットマネジメントは血の涙を流すことになります。

古参の投信ブロガーは、ニッセイ外国株が身を削って頑張る姿を見ていますので、


インデックスファンドの運用って難しいんですよね(@ニッセイ外国株)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-784.html


などと言われても、運動会で転んだ孫を見て心配するおじいちゃんのような気持になって、よりいっそう応援する気持ちになってしまうのでしょう。


このような関係こそ、理想的な運用会社と顧客との間の信頼関係というべきです。

ニッセイ外国株は、運用ミスを連発してしまったものの、

「徹底的にコストにこだわらないとダメなんです」

という当初の公約を守る姿勢を自らの値下げ行動によって示しています。


ひるがえってセゾン投資は、設立当初、このようなことを顧客に約束しています。


まずは改めてセゾン投信を立ち上げた目的をお話したいと思います。
セゾン投信の親会社は《セゾン》 カードのクレディセゾンです。《セゾン》カードは皆様ご承知いただいていると思いますが、約2500万人のカード会員を有する我が国有数のカード会社です。しかしこれから先カード業界の競争は厳しく、ク レディセゾンが今後日本一のカード会社としての立場を確立していく上では、お客様の支持を永く得られる圧倒的なサービスの差別化が必須条件です。そして金融サービスを重要な差別化軸のひとつと位置づけ、その中で、長期的な資産形成に相応しい投資商品を提供することを選択しました。
「長期資産形成」「ローコスト」をコンセプトとした商品をお客さまに提供していくことがカードの差別化につながると考え、また、「顧客利益の最優先」という新しいスタンダードを投信業界で確立したいというクレディセゾンの思いから、セゾン投信が誕生したわけです。
今回、セゾン投信はそこに参入しました。しかも大手金融機関系列の名だたる会社とは、一味ちがう会社になりたい、そのメッセージが発信したくて、参入したのです。そのポイントは圧倒的な差別化によって、圧倒的な顧客(投資家)支持を得ることだと考えています。そのビジネスモデル構築には、既存の投信業界、金融機関を徹底して研究すること、そしてそのアンチテーゼを掲げ実践することだと心得ました。その結果たどり着いたのは、『投信会社としてあたりまえのことをあたりまえに実行していこ う』という単純な結論です。それは経営の視点を投資家の皆様と同じサイドに立たせること、資産形成を地道に行いたいという多くの生活者のニーズに応える長期投資のお手伝い、そして長期投資仲間の創造と応援です。
長期投資の軸を絶対にブレさせず、投資家本位の商品を作る、それは運用成績をしっかり出すことに尽きますが、良い運用成果を阻害する最大要因の極小化、つまりできる限りの低コストを実現することが、その基本的前提として導き出されたのです。無駄なコストを徹底的に省き信託報酬もギリギリまで小さくしました。これらはすべて皆様の長期投資を大いにサポートします。そ して、今までには無かった長期投資に思いきり舵を切ったポートフォリオを構築し、懸命に運用をすることで、皆様の財産づくりに誠実に取り組む姿をメッセージとして出し続け、「信頼」を得るためにひたすら頑張るのみです。
https://www.saison-am.co.jp/guide/information/_pdf/message0703.pdf


図示してみます。

長期投資の軸を絶対にブレさせず、投資家本位の商品を作る

それは運用成績をしっかり出すことに尽きる

良い運用成果を阻害する最大要因の極小化、つまりできる限りの低コストを実現する

これらはすべて顧客の長期投資を大いにサポートする。


すなわち、中野社長がセゾン投信の設立当初に言っていたことを一言でまとめると、



低コストこそ正義



ということに尽きます。

セゾン投信にとって、低コストを追求することは、自らの存在意義のよりどころとなるべき重要な理念でした。
しかし、


通常、インデックス投信ならコストが安いものを選ぶのが定石ではありますが、つみたてNISAではコスト一辺倒で選ぶのは危険で、一定の残高と資金流入がある商品でないと、20年を待たずして中途償還(投資家に資金を返してそのファンドの運用を途中でやめてしまうこと)されてしまう可能性もあると考えられます。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO25448030Z00C18A1000000?page=2


と述べて低コストを諦めたばかりか、それを正当化するため、


そもそも資産運用業界は、指標インデックス をなぞることだけがミッションであるはずがありません。「資産運用の高度化」を叶える資産運用業界の姿とは、本来極めて高度な知見と経験に裏打ちされた専門的能力を競い合い、各々が目指す超過リターンを追求するために真摯に最善を尽くすことに違いありません。
セゾン投信は2つのアクティブファンドの提供を通じて圧倒的な成果を追求してまいります!
https://www.saison-am.co.jp/guide/information/_pdf/message1710.pdf#page=2


ついにアクティブファンド宣言までしてしまいました。

セゾン投信は、設立当初、セゾングロバラをインデックスファンドに位置付けていました。
そのことが遠い昔のように感じられます。


「セゾン・バンガード・グローバル・バランス・ファンド」は世界の株式・債券を対象としたインデックス・ファンドなので守りに強く、長期で安定的な財産づくりのベースができる。
https://www.saison-am.co.jp/guide/information/_pdf/message0703.pdf


セゾン投信の中野社長の言葉は、身を削って低コストを実現したニッセイ外国株の姿を見た後では、なんだかとても空虚なものに感じられてなりません。


がんばれニッセイ外国株。


とはいえ、私は、低コストで安定運用が期待できるスリム先進国株を買い続けていきます。


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コメント

No title

最終行の「とはいえ、」は強いパンチが効いていますね。安定運用なき低コストは正義たりえない、という理解でよろしいでしょうか?

明日はニーサの日(byたわら男爵)ですね。特集記事を楽しみにしております。

No title

コメントありがとうございます。

>安定運用なき低コストは正義たりえない、という理解でよろしいでしょうか?

単に私はニッセイ外国株に思い入れはないというだけです。
スリム先進国株の更なる低コスト化のためにも、ニッセイ外国株には頑張ってほしいと考えています。

>明日はニーサの日(byたわら男爵)ですね。特集記事を楽しみにしております。

NISAの日は、金融庁が制定した権威がある記念日です。

No title

>コスト一辺倒で選ぶのは危険で、一定の残高と資金流入がある商品でないと
スリムシリーズは大変人気ですから、コストで選んで実質問題ないですね。

No title

コメントありがとうございます。

>スリムシリーズは大変人気ですから、コストで選んで実質問題ないですね。

つみたてNISA適格ファンドのうち、セゾングロバラより遥かに低コストで、途中償還のリスクが皆無であると思われるファンドがいくつもあるわけですが、中野社長はそれを無視して、コスト以外を強調しています。

当初の志を忘れ変節したとの非難を受けてもやむを得ないでしょうね。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●楽天証券で「たわら男爵15種」の毎月2回100円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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