この投資信託がすごい(2019年1月、新興国株編)前編

ニッセイ新興国株が、2019年1月17日、運用報告書を公開したことを受けて、「この投資信託がすごい」新興国株編を更新しました。

このシリーズは、インデックスファンドのうち、私が最高だと考えるものをご紹介するというものです。

それでは、さっそく最優秀新興国株インデックスファドの発表です。

なお、今回は前編です。
後編ではETFを買うだけファンドと今回の勝者とを比較します。


【この投資信託がすごい(目次)】
※順次、最新版に更新していきます。

●先進国株(現物株ファンド)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1178.html
●先進国株(ETFを買うだけファンドとの比較)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1179.html
●新興国株(現物株ファンド)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1181.html
●新興国株(ETFを買うだけファンドとの比較)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1182.html
●TOPIX
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1192.html
●ダウ
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-615.html#more
●全世界株(含む日本)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1207.html#more
●全海外株(除く日本)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1209.html
●eMAXIS Slim全世界株vsVT
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-745.html#more
●eMAXIS Slim全世界株vs楽天全世界株
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-740.html#more
●バランスファンド
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-957.html

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●eMAXIS Slim新興国株式インデックス

信託報酬 0.20412%(税抜0.189%)
実質コスト 0.38545%(うち信託報酬を除く部分は0.18133%)
純資産額 119億9500万円(2017年7月31日新規設定)
マザーファンドの規模 705億8000万円(2018年11月1日時点)

信託報酬は、現物株運用をする新興国株インデックスファンドの中では最安です。


現物株運用をする新興国株インデックスファンドの信託報酬ランキング(ベビーファンドの純資産額)です。

1、eMAXIS Slim新興国株式インデックス 0.189%(0.20142)(119億9500万円)
2、<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド 0.189%(0.20142)(7億8800万円) 
3、i‐SMT新興国株式インデックス(ノーロード) 0.33%(0.3564)(2300万円)
4、Smart-i新興国株式インデックス 0.34%(0.3672)(2億4400万円)
4、たわらノーロード新興国株式 0.34%(0.3672)(49億8300万円)
4、iFree新興国株式インデックス 0.34%(0.3672)(20億9300万円) ※スマートベータ指数


つぎに、信託報酬を除く実質コストランキング(マザーファンドの純資産額)です。

1、eMAXIS新興国株式インデックス 0.16%(705億8000万円) 2018.1.26
2、eMAXIS Slim新興国株式インデックス 0.18133%(705億8000万円) 2018.6.26
3、i-SMT 新興国株式インデックス(ノーロード) 0.2161%(477億1300万円) 2018.10.22
4、たわらノーロード新興国株式 0.28%(664億4300万円) 2018.10.12
5、iFree新興国株式インデックス 0.411%(53億2988万円) 2018.7.5
6、Smart-i新興国株式インデックス 0.7356%(31億4500万円) 2018.6.25
7、ニッセイ新興国株 1.4270%(6億9500万円) 2018.11.20

※後述するとおり、運用報告書では開示されない隠れコストが存在するため、運用報告書に記載された実質コストを単純に比較しても正確なコストを計算することはできず、結局のところ、基準価額の騰落率によって判断するしかありません。
しかし、運用報告書で開示された実質コストが安いもののほうが高いものよりもよいことは間違いありませんので、私は、トータルコスト=信託報酬+実質コストでおおよそのコスト水準を把握した上で、トータルコストが安いものを基準価額の騰落率で更に検証することにしています。

※ニッセイ新興国株の実質コストが極めて高いものとなっています。
この点について、運用報告書では、

当期の税引前分配金再投資基準価額騰落率は-11.2%となり、ベンチマーク騰落率(-9.3%)を下回りまし た。なお信託報酬、マザーファンドにおける証券保管費用および売買費用等の要因を除くと、おおむねベンチ マークに連動した投資成果となりました。

と記載されています。

スリム新興国株と比較すると、売買委託手数料0.1606%(スリム新興国株は0.033%)、保管費用1.1224%(スリム新興国株0.08%)となっており、マザーファンドを新設したことによる悪影響(マザーファンドとベビーファンドの純資産額が少ないことによるコスト高)をもろに受けていることが分かります。


最後にトータルコストランキングです。

1、eMAXIS Slim新興国株式インデックス 0.38653%
2、i-SMT 新興国株式インデックス(ノーロード) 0.5725%
3、たわらノーロード新興国株式 0.6472%
4、iFree新興国株式インデックス 0.7782%
5、Smart-i新興国株式インデックス 1.1028%
6、ニッセイ新興国株 1.63112%


このように、eMAXIS Slim新興国株(イーマクシススリム新興国株)は、

信託報酬
信託報酬を除くコスト
トータルコスト

の全てで最安となります。

また、eMAXIS Slim新興国株(イーマクシススリム新興国株)は、

ベビーファンドの純資産額
マザーファンドの純資産額

のいずれもが最大です。

インデックスファンドでは、信託報酬と実質コストが安ければ低コストで保有することができますし、ベビーファンドとマザーファンドの純資産額が大きければ安定運用につながります。
スリム新興国株は、このどちらもがベストであり、死角が全くありません。


さて、スリム新興国株とイーマクシス新興国株の信託報酬を除く実質コストを比較すると、スリム新興国株のほうが高コストのように見えます。
しかし、これは単に決算期が3か月ズレているせいです。

両者の運用報告書を見ると、乖離の原因として、

●スリム新興国株
マザーファンドの要因 1.3%
マザーファンド外の要因 -0.2%

●イーマクシス新興国株
マザーファンドの要因 2.6%
マザーファンド外の要因 -0.8%

と分析されています。

ここでマザーファンドの要因の違いは、両ファンドのマザーファンドは同一であり、全く同じ乖離が発生しているはずですから、単なる決算期のズレにすぎないことが分かります。
両ファンドの差は「マザーファンド外の要因」を見る必要がありますが、その差は0.6%です。つまり、スリム新興国株のほうが0.6%リターンが良いことになります。

両ファンドの信託報酬差は0.4428%です(ただし、スリム新興国株は途中で値下げをしていることから、値下げ時期を考慮するとこれより報酬差は0.6%のほうに近づきます)。
たしかに、「マザーファンド外の要因」も3か月のズレによる影響は受けます。
しかし、マザーファンドの要因と比べると、ズレの影響は軽微です。なぜなら、マザーファンドは、保有株の騰落、配当金、為替等の影響をもろにかぶるのに対し、ベビーファンドはマザーファンドを買うだけだからです。

そうすると、スリム新興国株は、イーマクシス新興国株と比較すると、信託報酬差に相当するリターン差をきちんと出していると推測されます。

※正確な数字は、

信託報酬差 0.4428%
リターン差 0.6÷14か月×12か月=0.51428%
両者の差 0.07148%

となることから、信託報酬差を若干上回るリターン差を得ることに成功しています。
ただし、運用報告書の数字は小数点第一位までしか記載されていないことから、0.07148%差は誤差と評価できます。


このように、スリム先進国株は同種ファンドと比較すると信託報酬や信託報酬を除く実質コストが安いといえますが、三菱UFJ国際投信は、スリム先進国株に関し、運用報告書上の実質コストが他社より高い理由について、

(1)ラップ口座の頻繁な売買による売買コストがかかること
(2)市場内取引が多いこと

を挙げたうえで、上記2点については運用報告書上のコストが高くなるだけであり、以下の理由でリターンには悪影響を及ぼさないと説明しています。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-845.html

(1)ラップ口座の頻繁な売買によるコスト増は、ラップ取引をする都度、信託財産留保額をマザーファンドに入れてもらうことで手当てをしている(運用報告書の上ではコスト増になってしまうが、ラップ取引から信託財産留保額を徴収することでラップ口座以外の顧客に不利益にならないようにしている)
(2)他社は、運用報告書に書かなくてもよい市場外取引が多いだけであり、実際には売買コストはかかっている


スリム新興国株は、同種ファンドよりも群を抜いて低コストであるため、基準価額の騰落率を比較する必要はないと思われますが、念のため、たわら新興国株と1年リターンを比較してみます。

●スリム新興国株
2018.1.19 11556
2019.1.18 9543
騰落率 -17.4195%

たわら新興国株
2018.1.19 15379
2019.1.18 12642
騰落率 -17.7969%
※スリム新興国株比-0.3774%(1000万円あたり3万7740円の損)
※信託報酬差は0.16308%(1000万円あたり1万6308円差)ですので、スリム新興国株の運用技術はたわら新興国株よりも優れていることになります。


スリム新興国株はやはり優秀でした。

というわけで、現物運用をする新興国株インデックスファンドの中でベストバイファンドは、


eMAXIS Slim新興国株


となります。

なお、売却を伴う乗り換えに関しては下記記事をご覧ください。

●【基礎知識】投資信託の売却を伴う乗り換えをする際の判断基準
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-874.html#more

●スリム新興国株に乗り換えるべきタイミングはいつか
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-880.html

●たわら新興国株からスリム新興国株に乗り換えるべきタイミング
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-882.html


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コメント

No title

いつも参考になります。
ここで仰っているニッセイ新興国株式の実質コストというのは、11/20付の交付運用報告書にある1万口当たりの費用明細の「信託報酬 +売買委託手数料 ∔有価証券取引税 +その他費用 」でよろしいでしょうか?

これらの数値の合計だと1.896%なのですが、俵男爵さんの数値と異なるるのは何故でしょうか?

計算方法について教えてください。

No title

コメントありがとうございます。

>これらの数値の合計だと1.896%なのですが、たわら男爵さんの数値と異なるるのは何故でしょうか?


信託報酬を除くコストは、1.896%-0.350%=1.546%となります。
これは13か月分のコストですので、1.546%÷13か月×12か月=1.4270%となります。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入(+特定口座で4万円×4回=毎月16万円の積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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