NISA口座の取得価額=特定口座移管時の基準価額

1つ前の記事で、

●つみたてNISA口座で積立投資をする意味は全くない
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1157.html

というものを書いたところ、多数のコメントをいただきましたが、今一つ真意をご理解いただけていないようですので、さらに噛み砕いてみます。

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まず、そもそもの前提として、通常NISAもつみたてNISAも、本質は同じものです。
分かりやすいように、スリム先進国株を投資限度額まで買ったことにして話を進めます。

非課税運用期間の最初の1年目に120万円ないし40万円のスリム先進国株を買い、最初の1年目を含む5年ないし20年の非課税運用期間が満了するまで放置すると、非課税運用期間の満了日に自動的に特定口座に払い出されることになります。

そして、非課税投資枠は、通常NISAでは10枠、つみたてNISAでは20枠であり、それが毎年1枠ずつ与えられ、その枠を使っても使わなくても毎年末にその枠は消滅し、次の年にまた新たな非課税投資枠が1枠与えられます。

通常NISAもつみたてNISAも、非課税運用期間が満了する前に売却したり特定口座に移管したりすることができます。
売却する際は、売却した金額を1円残らず自分のものにすることができます。買った金額より増えていても、譲渡所得税を支払う必要はありません。
したがって、非課税運用期間が満了する前に売却したときは、取得価額という税務上の概念が登場する機会はないことになります。

これに対し、非課税運用期間が満了する前に売却等せず、そのまま保有した状態で非課税運用期間の満了日を迎えると、通常NISAもつみたてNISAも、特定口座に自動移管されることになります。
その際は、自動移管された時点の基準価額が取得価額になります。

例えば、基準価額が1万円のスリム先進国株をつみたてNISA口座で購入し、基準価額が1万8000円になった時点で特定口座に移管されたら、スリム先進国株の取得価額は1万8000円と記録されます。
その後、基準価額が2万円の時点で売却すると、税務上は1万8000円で買ったものを2万円で売ったことになり、2000円の譲渡益が出たものとして扱われますので、2000円×20.315%=406.3円の譲渡所得税が課されることになります。

ところで、均等額積立投資は、一括投資と比べると、より低いリターンになります。
言葉を換えれば、「圧倒的に一括投資のほうが平均的に利益を上げている」(「積立投資のすべて」319頁、星野泰平)ということになります。

しかし、私は、「相場サイクルのピーク時にまとめて高値で投資した後、運悪く相場が崩れた時に陥る後悔や自己嫌悪の念を和らげてくれる効果は大きい」(「ウォール街のランダム・ウォーカー」440頁、マルキール)ことから、特定口座では、例え手持ち資金があったとしても、60等分して均等額積立投資をすることを推奨しています。

ただし、通常NISAやつみたてNISAでは、それぞれの非課税投資枠は別個独立しており、毎年1枠ずつ特定口座に払い出されることから、結局のところ、重要なのは最初の1年間の投資可能期間の間に幾らで買うかということだけです。
最安値で買うことができば儲かりますが、将来の株価は誰にも予測できませんので、そのようなことは不可能です。買うタイミングを逃したまま年末を迎えて焦ることになりかねません。
確実なことは、非課税運用期間が多ければ多いほど得をするということだけです。
そのため、できるだけ多くの非課税運用期間を確保するために年初一括投資がベストであると考えています。

また、「相場サイクルのピーク時にまとめて高値で投資した後、運悪く相場が崩れた時に陥る後悔や自己嫌悪の念を和らげてくれる効果」(「ウォール街のランダム・ウォーカー」440頁、マルキール)については、年初一括投資を20回繰り返すことでも実現できると考えているわけです。


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コメント

No title

>できるだけ多くの非課税運用期間を確保するために年初一括投資がベストであると考えています。

ここがよくわかりません。年初一括投資であろうと一年間の間の分散投資であろうと二十年間という非課税運用期間に差はないのでは?
また、先の記事でも“2018年は年初一括投資ではなく、オーソドックスに毎月均等額の積立投資をしていたほうが得でした。”とありました。
例え一年間の間だとしても大暴落がないとは限りません。高値掴みをするかもしれない一括投資をあえて推奨する理由がわかりません。
一年間の間の取得価額の差など微々たるものという考えの基でしょうか?

やはり私はよく理解できていないようです。

60カ月ならともかく、12カ月では保険としての効果は極めて限定的。一方で、非課税運用期間はたとえ11カ月であっても長い方が得だ。

両者は、結論としては「ならば年初に一括投資する」となり、行動は一致するのですが、一年という期間の価値の捉え方が真逆ですね。

それはともかくとして、たわら男爵さんが、「つみたてNISAの出口」をとても強く意識されていることがよく分かりました。成る程と思います。

ただし私は、前回書いたように、つみたてNISAの「見かけ上の平均取得価格」が「実質の平均取得価格」と異なることも意識した方が良いと思います。

つまり、特定口座への移管についても、「大きく得する年もあればそうでない年もある」のですから、単年に拘るよりは、全体を押し並べて評価する方が適切だと思います。

No title

つまり、毎月積み立てて1月から12月で40万円にした40万円よりも、年始に一括で投資した40万円の方が、40万円という投資額を最大限の運用期間で活かせるということですね。

非課税投資枠”別個独立”の意味

いつも有益かつ面白い記事をありがとうございます。NISAに関するエントリーの中で
”通常NISAやつみたてNISAでは、それぞれの非課税投資枠は別個独立しており、毎年1枠ずつ特定口座に払い出される”
という表現をされていますが、ここの点がいまひとつ理解できません。ちなみに私は、つみたてNISAを年初一括投資ではなく、毎月定額(33,333円)積み立てていますが、この方法と年初一括とを比べた時のデメリットについてもご教示いただければ幸いです。

つみたてNISAの出口戦略

 いつもためになる記事をありがとうございます。

 つまり、特定口座に移管される前に売却する場合は、年を越えて平準化された取得価額により売却されることから、その場合に限定すると、結果的につみたてによる平準化効果があるものと理解してよいでしょうか?
 ただし、特定口座に移管される場合は、年を越えず、当該年のみの取得価額が基準価額となるため、年を越えたつみたての意味がないという理解をしましたが、合っているでしょうか?

 現在のNISAと同様、出口戦略を考えると、高値掴みした年があるのであれば、利益を確定してしまうのも一つの手ということになると思いますが、5年か20年かという点で利益確定の必要性が違いますね。

No title

コメントありがとうございます。

>年初一括投資であろうと一年間の間の分散投資であろうと二十年間という非課税運用期間に差はないのでは?

私のケース(2/13に一括投資)では、19年10か月15日の非課税運用期間が獲得できます。

これに対し、買うタイミングを逃し、12月に一括投資すると非課税運用期間19年0か月しか獲得できません。

積立投資は、これらの中間になります。

>例え一年間の間だとしても大暴落がないとは限りません。高値掴みをするかもしれない一括投資をあえて推奨する理由がわかりません。

この考えは統計的に間違っています。
一括投資のほうが分散投資よりもリターンは確実によくなるからです。

ただし、心理的な保険のため、リターンを犠牲にして分散投資を選択するわけですが、1年の分散投資でどれだけの分散効果があるかは疑問です。

また、大暴落は、翌年の年初一括投資で拾っていくことができます。

>両者は、結論としては「ならば年初に一括投資する」となり、行動は一致するのですが、一年という期間の価値の捉え方が真逆ですね。

1日でも早く、1円で多くの資金投入をするほうが儲かる可能性が高いというだけです。

ただ、特定口座では、心理的な保険のため、均等額積立投資(設定可能であれば毎営業日積立)をすべきですが、つみたてNISA口座では均等額積立投資をしても心理的な保険にはならないため、原則どおり一括投資をすべきであると考えています。

>特定口座への移管についても、「大きく得する年もあればそうでない年もある」のですから、単年に拘るよりは、全体を押し並べて評価する方が適切だと思います。


20枠の投資結果は、それを構成する1枠1枠の投資結果の合算ですから、私は、1枠1枠の投資結果をよりよくすることが全体の投資結果をよりよくすることにつながると考えます。

率直に言って、私は、20年の投資期間で元本割れをするとは考えていません。
元本割れをしなければ、単年度で考えたとしても、特定口座で投資するよりも確実に得をします。

また、万一単年度で元本割れが発生したとしても、20枠全体で自分で通算すれば、特定口座で投資するよりも得をすることになると考えています。

>毎月積み立てて1月から12月で40万円にした40万円よりも、年始に一括で投資した40万円の方が、40万円という投資額を最大限の運用期間で活かせるということですね。

そのとおりです。

しかも、1枠1枠が独立しているつみたてNISA口座では、時間分散をすることが心理的な保険にならないばかりか、NISA制度の最大の利点である非課税運用期間が短くなるというデメリットが発生してしまいます。

>”通常NISAやつみたてNISAでは、それぞれの非課税投資枠は別個独立しており、毎年1枠ずつ特定口座に払い出される”という表現をされていますが、ここの点がいまひとつ理解できません。

2018年から2037年までは毎年40万円ずつひたすら購入し、2038年から2047年までは毎年40万円ずつひたすら特定口座に払い出されていくという意味です。

>ちなみに私は、つみたてNISAを年初一括投資ではなく、毎月定額(33,333円)積み立てていますが、この方法と年初一括とを比べた時のデメリットについてもご教示いただければ幸いです。

非課税運用期間が短くなります。
例えば、最後の3万3333円の非課税運用期間は19年0か月しか確保できません。

>特定口座に移管される前に売却する場合は、年を越えて平準化された取得価額により売却されることから、その場合に限定すると、結果的につみたてによる平準化効果があるものと理解してよいでしょうか?

違います。
途中で売却しようが途中で特定口座に移管しようが期間満了で特定口座に自動移管されようが、取得価額が平準化されることはありません。

ただし、非課税運用期間の利益を放棄し、同時に売却すれば、結果的に取得価額が平準化されたのと同じことになりますが、計算上そうなるだけのことであり、リターンが向上するわけではなく、むしろ非課税運用期間を放棄する結果、リターンは悪化しますので、意味がないことです。

>現在のNISAと同様、出口戦略を考えると、高値掴みした年があるのであれば、利益を確定してしまうのも一つの手ということになると思います

つみたてNISAの非課税運用期間は20年です。
私は、20年で元本割れしたのであれば、それはもう人間にはどうすることもできない天の定めであり、そのおかげで人生におけるもっとひどい不幸な出来事を回避できたと考えたほうがよいと思っています。

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男爵様

つみたてNISAについてのみなさんとのやりとり、興味深く拝読してます。勉強になります。

さて、別件ですが、JPモルガンによる「2019年期待リターン 幾何」という数値を見る機会がありました。

https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/promotion/ltcma2019/index.html

この中の「期待リターン」というPDFファイルを読むと、「先進国株式 除く日本 為替ヘッジなし」の期待リターン 幾何は4.00%に対し、「米国大型株式 為替ヘッジなし」の期待リターン 幾何は3.50%となっています。

上記を素直に読むと、やはりスリム米国株よりもスリム先進国を選択したほうが、期待リターン・地域分散・保有コストなどの面で良いのだ、と嬉しく思うのと同時に、以下の疑問が浮かんできました。

そもそもこの「期待リターン」というのは、どのようなファクターを元に弾き出しているんでしょうか。PDFファイルの下部注釈に「定性分析に基づいて算出されております」とのことですが、よくその内容がわからないというのが正直なところです。

JPモルガンに直接聞けば、どういうことなのかある程度教えてくれるのかもしれませんが、もし男爵様の方で、噛み砕いてご教示いただけるようであれば、嬉しく思います。

No title

非公開設定でコメントをいただきましたが、特別に開示を避けるべき事項はありませんでしたので、貼り付けます。


たわら男爵さま

いつも参考になる記事を発信していただき本当にありがとうございます。

さて、先日からのつみたてNISAで積立投資をする意味がないというご意見についてですが、私も非課税運用期間の概念に関する理解について、たわら男爵さまと違いがあるように感じております。

今年のつみたてNISAについては、2037年の年末で非課税運用期間が満了し、特定口座へ自動移管されるものと認識しておりますが、例えば今年のつみたてNISA枠内で年初一括投資をした場合も、年末一括投資をした場合でも、等しく2037年末に特定口座へ自動移管されるということであれば、非課税運用期間に差はないものとみることができるのではないでしょうか。

そういう意味では、20年後の年末時の基準価額より少しでも平均取得価額を下げる可能性を追求して、つみたてNISAでも均等積立をする意味はあるのではないかと思うところです。

まあこれは20年後の年末までストロングホールドする前提の話であって、もし途中で特定口座へ移管するような場合を考慮すれば、当然年初一括投資のほうが期間が長くなり、有利な条件で移管できる可能性が増すものと思われますが。

しかし私はストロングホールドと均等積立こそインデックス投資成功の鍵であると考えており、そういう意味ではつみたてNISAも途中で移管することは考慮せず、自動移管までホールドし続けるべきであり、そうであるならば年初一括投資でも年末一括投資でも毎月、毎日均等積立でも非課税運用期間に差はないものとみることができるのではないかと考えているところです。

以上のような点につき、たわら男爵さまのご意見をお聞かせ願えれば幸いです。

よろしくお願いします。

No title

コメントありがとうございます。

>そもそもこの「期待リターン」というのは、どのようなファクターを元に弾き出しているんでしょうか。PDFファイルの下部注釈に「定性分析に基づいて算出されております」とのことですが、よくその内容がわからないというのが正直なところです。

社内の専門チームで協議して数字を決めているのだろうと思います。

>JPモルガンに直接聞けば、どういうことなのかある程度教えてくれるのかもしれません

なぜ3.5ではなくて4.0なのかと聞いても、誰も答えられないはずです。
おそらくこの数字は感覚的なものであり、4.5だと多すぎるから4.0にしようという程度のことだろうと考えています。

要するに、これまでの実務経験からすると、今年は3.5ではなく4.0っぽい気がするということなのでしょうね。

>例えば今年のつみたてNISA枠内で年初一括投資をした場合も、年末一括投資をした場合でも、等しく2037年末に特定口座へ自動移管されるということであれば、非課税運用期間に差はないものとみることができるのではないでしょうか。

非課税投資期間は、投資可能年(最初の1年目)の翌年から19年間ではなく、投資可能年を含む20年です。

したがって、投資可能年の1月1日に一括投資したケースと12月31日に一括投資したケース(受渡日基準ですので、実際には最初の営業日と最終の営業日の比較になります)では、非課税運用期間には約1年間の違いがあります。

私が年初一括投資にこだわるのは、これが最も長く非課税投資期間を獲得できる方法だからです。

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No title

男爵様

NISAとは関係ない質問なのですが、

自分は、
現在①eMAXIS slim全世界株(除く日本)をメイン積立しています
以前は②三井住友DCつみたてNISA全海外株式がメインでした

①と②では、実質コストで約0.1%の差がありますので、②から①に乗り換えたいなと考えていましたが、②の含み益が20%以上ありそのままとしてきました。
ここ数か月の下落によって、②含み益が10%を切りましたが、コストチェッカーによると
乗り換えがプラスになるまでまだ10数年ということで、躊躇しています。

①も数パーセントのマイナスで、含み損が数十万円に達しています。

さて、

①を同日売買して(損出し?)平均取得価額を下げておいて、何十万円かの確定損失A円を作っておいてから、
①と②の乗り換え売買をする(②から確定利益B円がでる)
この操作で、だいだいA円=B円となるようにすれば、確定益Bの20.315%が譲渡所得税として徴収されずに、①は平均取得価額を下げることができ、めでたく②⇒①への乗り換えもできる・・・・

と考えたのですが、この作戦はアリでしょうか? どこか根本的に間違っているところはありますでしょうか?

多分同じ商品を毎年買って、20年後に特定口座に払い出されていった時の扱いが、
2018年分と2019年分でそれぞれ独立するのか、先に払い出されてる2018年分に2019年分が混ざるのか(平均化されるのか)で混乱があるのではないでしょうか?

No title

いつも更新を楽しみにしています。

皆さんのコメントを拝読していて疑問が出てきました。

これまで取得してきた金額が年をまたいで平均化して記載されているなら、それぞれの年の取得金額は分からないということなのでしょうか?

出来れば20年間持ち続けて行く予定ではありますが、未来の事は分かりません。
1年目、2年目、3年目・・の取得金額が分からなくては、20年を待たずしての途中売却の判断ができません。

また、20年満期を待っての特定口座への移管でも、移管された後でないと、損をしたのか得をしたのかが分からないということでしょうか?

ご教授いただけたら嬉しいです。
宜しくお願いします。


No title

>ところで、均等額積立投資は、一括投資と比べると、より低いリターンになります。
言葉を換えれば、「圧倒的に一括投資のほうが平均的に利益を上げている」(「積立投資のすべて」319頁、星野泰平)ということになります。

この点についてですが、年初一括投資と年間を通じた均等額分散投資とを比較する際のエビデンスとしてはあまり適切ではないものと考えます。

一括投資が分散投資より優れるのは、チャートやその他経済指標等により、適切な買い場を選んでいる場合のことであり、年初に一括投資を行うといったように機械的に時期を決めて一括投資を行うというのは、結局20年間という長期で見れば、年初に毎年均等額を投資していることに他ならず、分散投資のひとつとカテゴライズされるものではないかと思われます。

星野さんの著書でいうようなことは確かにあるのかもしれませんが、相場の判断をしない点にこそインデックス投資のうまみがあるのであり、我々インデックス投資家はドルコスト法を意識し、可能な限りに小さい単位に分散した均等額分散投資を選択するべきではないかと考えるところです。

おそらく皆さんがいまひとつ得心されていないのは、上記のようなところではないかと思われます。

年末のお忙しい時に恐縮です。

たわら男爵さまのご意見を伺えれば幸いです。

よろしくお願いします。

No title

コメントありがとうございます。

>現行の楽天銀行ハッピープログラムのシステム上、楽天証券で毎営業日に15本の100円積立投資を行うのが、最もポイント還元率が高くなりますが、つみたてNISAの年枠40万円はそれと親和性が高く、有益な投資となり得ると感じております。

20枠の非課税投資期間を最大限に活用すると40年の投資期間となりますので、私は、つみたてNISA口座ではポイント狙いはやめて、これぞと思う投資信託だけを購入し続けるべきであると考えています。

>①を同日売買して(損出し?)平均取得価額を下げておいて、何十万円かの確定損失A円を作っておいてから、①と②の乗り換え売買をすると考えたのですが、この作戦はアリでしょうか?どこか根本的に間違っているところはありますでしょうか?

現在の相場は1日で数%が動きますので、確定損を作った後、更に相場が値下がりし、三井住友DCつみたてNISA全海外株のほうも含み損になるか、含み益が確定損を下回ってしまうリスクがあります。

含み益が数%であれば、私ならばそのような小細工はせず、三井住友DCつみたてNISA全海外株の売却と同日同額のスリム全世界株を買うだけにします。

>多分同じ商品を毎年買って、20年後に特定口座に払い出されていった時の扱いが、
2018年分と2019年分でそれぞれ独立するのか、先に払い出されてる2018年分に2019年分が混ざるのか(平均化されるのか)で混乱があるのではないでしょうか?

毎年1本ずつ瓶にワインを詰めていき、20年たったら毎年1本ずつ売却していくわけですから、別の瓶のワインと中身が混ざることは絶対にないということが前提なんですけれどね。

>これまで取得してきた金額が年をまたいで平均化して記載されているなら、それぞれの年の取得金額は分からないということなのでしょうか?

そのとおりです。

証券会社のログインページの取得価額は税務申告とは無関係な参考値であって、特定口座のような税務申告に必要な厳密な数字ではありません。

ただし、私のように毎年同じ日に年初一括投資をしていけば、チャートを見るだけで買った日の基準価額=取得価額ということが簡単に分かります。

>20年満期を待っての特定口座への移管でも、移管された後でないと、損をしたのか得をしたのかが分からないということでしょうか?

移管された後でも分かりません。
取得価額として記録されるのは、移管日の基準価額になるからです。

>一括投資が分散投資より優れるのは、チャートやその他経済指標等により、適切な買い場を選んでいる場合のことであり、年初に一括投資を行うといったように機械的に時期を決めて一括投資を行うというのは、結局20年間という長期で見れば、年初に毎年均等額を投資していることに他ならず、分散投資のひとつとカテゴライズされるものではないかと思われます。

一括投資が時間分散投資よりも高いリターンとなる理由は、より大きなリスクをとっているからです。

マルキール先生も指摘していますが、リターンとリスクは表裏一体のものです。
時間分散投資は、投資するまではキャッシュで保有しており、その分だけリスクをとっていませんので、一括弁済よりもリターンが劣後することになります。

したがって、星野さんが検証しているとおり、より早く、1円でも多額の資金を投入した人のほうが儲かる可能性が高くなります。

>相場の判断をしない点にこそインデックス投資のうまみがあるのであり、我々インデックス投資家はドルコスト法を意識し、可能な限りに小さい単位に分散した均等額分散投資を選択するべきではないかと考えるところです。

ワインを瓶に詰めるとき、一気に詰めて蓋をして20年寝かせたほうが、1年かけて少しずつチョビチョビと瓶に注いで蓋をして19年寝かせるよりも、おいしいワインになります。

均等額積立投資は心の保険の意味しかありません。
均等額積立投資のほうが一括投資より儲かると言っている人は私の知る限り誰もいません。

「積立投資のすべて」という本を書いた星野さんでさえ、一括投資のほうが儲かると断言しているくらいですから、ビビらない気持ちがある限り、本来であれば特定口座でも一括投資をすべきです。

しかし、自分にビビらない気持ちがあるかどうかは実際に暴落局面になってみないと分かりませんから、特定口座では保険の意味で均等額積立投資とするというだけのことです。

No title

15年来の外国株式を毎月10万積み立てと奇数月積立(1カ月先に2か月分を積立)でいろいろな期間で比較しましたが、DC系の信託報酬0.2%以下のものと0.8%程度のものでも、逆転してしまうくらい先に積み立てた方が有利です。実は信託報酬云々よりも、積立額を1万円でも多く早めに入れた方が断然有利なのです。早めの購入はその後、形勢逆転が難しくなるほどの破壊力があります。

つみたてNISA払出し

たわら男爵様

いつも勉強させて頂いております。
ありがとうございます。
つみたてNISA払い出しに関して質問させて頂きます。
宜しくお願いします。

つみたてNISA2018年買付分の口数が2038年に特定口座に自動移管されるという事でよろしいでしょうか?
2019年分買付口数は2039年、翌年以降も同様という認識で大丈夫でしょうか?

年末のお忙しい中、大変恐縮致しますが、宜しくお願い申し上げます。

つみたてNISA払出し

再投稿失礼致します。
補足させてください。
つみたてNISA20年後の特定口座払い出しですが、
2018年買付口数→2038年払い出し時の基準価額で取得となり、2018年分買付口数の増減はないという認識で間違いないないでしょうか。翌年以降も同様
宜しくお願い申し上げます。

No title

いつも、お世話になっております。
先般は貴重なご意見ありがとうございました。
また、ご意見をいただけたら嬉しいです。
現在の保有は次のとおりとなっております。たわらノーロード先進国は保有のみにしてあります。
emaxis slim先進国 投資金額2,150,000円 取得単価10,934 損益―5.1%
―109,722
emaxis slim先進国(積立NISA)投資金額150,000円 取得単価11,567
損益―10.3% -15,445
emaxis slim新興国 投資金額160,000円 取得単価10,079損益―8.46%
-13,542
emaxis slim 国内株式(TOPIX)1,800,000円 取得単価11,143
たわらノーロード先進国 投資金額500,000円 取得単価11,807 損益-10.54%
-189,648
たわらノーロード先進国(積立NISA)投資金額250,000円 取得単価11,910
損益―5.93% -14,819
個人向け国債 900万
現金900万

1.たわらノーロード先進国(特定口座)の損益がマイナスになっていますので、売却して、emaxis slim先進国に乗り換えたほうが良いでしょうか。
2、また、乗り換える場合は、売却した日に、一括購入のほうが良いでしょうか。
たわらノーロード先進国(特定口座)の詳細は次のとおりです。
投資金額500,000円 取得単価11,807 損益-10.54%
-189,648
3.たわらノーロード先進国(積立NISA)はそのままの保有でよろしいでしょうか。
たわらノーロード先進国(積立NISA)の詳細は次のとおりです。
投資金額250,000円 取得単価11,910
損益―5.93% -14,819
4.今年501万で投資信託を購入したので、今後5年で500万をemaxis slim先進国を均等購入することにいたしました。

なお、証券会社はSBI証券で、10年から20年の保有を考えております。

ご返事いただけたら嬉しいです。

No title

つみたてNISA口座の取得価額の考え方がわからず、混乱してしましました。下の例で、教えてください。
2018年 取得時の基準価格@10000円 1口購入
2019年 所得時の基準価格@ 9000円 1口購入
2020年 取得時の基準価格@ 8000円 1口購入
2021年 取得時の基準価格@ 7000円 1口購入
2030年 資金が必要となり@20000円×3口売却
売却時の利益を計算するときの取得価格はどう計算するのですか? 
A総平均
(10000円+9000円+8000円+7000円)÷4×3?=25500円
〇この場合に、残った1口はいつの年分と考えて、いつ20年の満期が来る?
B古い年分から先に売却
 9000円+8000円+7000円=24000円
〇この場合は、2021年分が残っているから、2040年末が満期になる?
C.どの年分を売るか、売却時に自分で選択できる?その場合、どの年分を売ると有利になるかの単価をどうやって調べる?(証券会社の画面表示は総平均取得価格)自分で、各年ごとの平均取得価格を自分で計算しておかなけばならない?

No title

コメントありがとうございます。

>実は信託報酬云々よりも、積立額を1万円でも多く早めに入れた方が断然有利なのです。早めの購入はその後、形勢逆転が難しくなるほどの破壊力があります。

期待リターンの威力は抜群ということですね。

>つみたてNISA20年後の特定口座払い出しですが、2018年買付口数→2038年払い出し時の基準価額で取得となり、2018年分買付口数の増減はないという認識で間違いないないでしょうか。

私はそのように理解しています。

>たわらノーロード先進国(特定口座)の損益がマイナスになっていますので、売却して、emaxis slim先進国に乗り換えたほうが良いでしょうか。

来年中に含み損を超える確定益を確保できる見込みであれば、そうしたほうがよいでしょうね。
確定益を確保できないと、含み損を確定させただけになって損をします。

>乗り換える場合は、売却した日に、一括購入のほうが良いでしょうか。

同額を同日購入してください。

>たわらノーロード先進国(積立NISA)はそのままの保有でよろしいでしょうか。

そのまま20年放置して、特定口座に自動移管すべきです。

>今年501万で投資信託を購入したので、今後5年で500万をemaxis slim先進国を均等購入することにいたしました。

投資資金の合計額が1000万円ということであれば、それでよいと思います。

ただ、インデックス投資は、結局のところ、多額の資金を投入した人が勝つ投資方法ですので、毎月の投資額をできるだけ増やせるのであればそうすべきです。

>2030年資金が必要となり@20000円×3口売却。売却時の利益を計算するときの取得価格はどう計算するのですか? 

先入れ先出し法によりますので、購入日が古いものから順番に消していきます。
自分では一切選択できず、売却注文をすると証券会社が勝手に計算します。

設例でいえば、2018~2020年の3枠分がつみたてNISA口座から消えて、2021年分だけが残ることになります。

No title

追記です。

>売却時の利益を計算するときの取得価格はどう計算するのですか? 

非課税運用期間の途中での売却ですので、譲渡益はゼロ円となり、譲渡益を計算するための取得価額は観念されません。

税務処理と離れて、自分の中でどれほど儲かったかを確認したいということであれば、2018年は1万円が2万円になったので1万円の得、2019年は9000円が2万円になったので1万1000円の得、ということになります。

No title

ご返事ありがとうございます。
よいお年をお迎え下さい

皆さんのやり取りを拝見して

では、積み立てニーサでスリム先進国株を40万円×20年積み立てた場合、それぞれの年の取得価格が混ざってしまうので、積立の途中も20年後も、その時売却したらプラスなのかマイナスなのかも分からないという事なのですね。

私は40代なので、40年後まで確実に投資を続けていられる自信がありません。


それならば、スリム先進国株は特定口座で購入し、積立ニーサは別の商品の購入に当てた方が良いのでは、と思いましたが、どうでしょうか?

No title

コメントありがとうございます。

>積み立てニーサでスリム先進国株を40万円×20年積み立てた場合、それぞれの年の取得価格が混ざってしまうので、積立の途中も20年後も、その時売却したらプラスなのかマイナスなのかも分からないという事なのですね。

証券口座のログインページからは分かりませんので、自分で記録しておくしかありません。

>スリム先進国株は特定口座で購入し、積立ニーサは別の商品の購入に当てた方が良いのでは、と思いましたが、どうでしょうか?

特定口座とつみたてNISA口座は混ざりませんので、もしこの点にこだわるのであれば、つみたてNISA口座で購入する投資信託を毎年別のものにするしかありません。

No title

先程質問させていただいたものです。
ご回答をありがとうございました。
これからも更新を楽しみにしています。

No title

ご説明、ありがとうございます。
やっと積立NISA口座(年ごとの枠)のイメージが湧いてきました。
途中売却の場合、ある年分枠については、本来は売却損になのケースなのに、ノーカウント(非課税)になる場合もあるということですね。
とても分かりにくい制度ですね。

No title

コメントありがとうございます。

>やっと積立NISA口座(年ごとの枠)のイメージが湧いてきました。

お役に立てて、よかったです。

>途中売却の場合、ある年分枠については、本来は売却損になのケースなのに、ノーカウント(非課税)になる場合もあるということですね。

たしかに、含み損の時点で売却すると、損益通算できず、特定口座よりも不利になります。

しかし、つみたてNISAの非課税運用期間は20年ですから、私は、よほど運が悪くなければ含み損になることを心配する必要はないと考えています。

No title

「通常NISAが5年満期で特定口座に振り替えられて、今までの表示されていた含み益が消えて、特定口座の取得価額に2018年末NISA口座基準価額で合算されたので、評価損失が表示されるようになった。なんだかとても寂しい気持ちになっている」というブログを読みました。
含み益が消えてしまうと画面を見るのがいやになり、投資のモチベーションは下がってしまう気がしました。
非課税のまま確定したNISA口座含み益の分を自分で計算して、自分を納得させないと投資が継続しにくいな、と思いました。証券会社の画面上の評価損益がプラスがマイナスかは心理的影響が甚大ですね。

No title

コメントありがとうございます。

>含み益が消えてしまうと画面を見るのがいやになり、投資のモチベーションは下がってしまう気がしました。

その点、つみたてNISAは20年放置するだけですから、通常NISAよりも気が楽ですね。
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●つみたてNISA(SBI証券)は「たわら先進国株」を年初一括購入中。
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●無リスク資産は、個人向け国債変動10とauじぶん銀行(金利0.2%)。

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