スリム先進国株、たわら先進国株を抜き、第4位に躍進

eMAXIS Slim先進国株の純資産額が、12月25日、253億8700万円となりました。

たわら先進国株の同日付けの純資産額は252億6400万円ですから、クリスマスという記念すべき日に、スリム先進国株がたわら先進国株を純資産額で追い抜いたことになります。

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同日付けの純資産額ランキングです。

1、ニッセイ外国株 919億7500万円
2、SMTグローバル株 564億1600万円
3、eMAXIS先進国株 309億2700万円
4、スリム先進国株 253億8700万円
5、たわら先進国株 252億6400万円
6、外国株式インデックスe 135億万円
7、Funds-i外国株 91億5800万円

ちなみに、たわら先進国株の新規設定日(2015.12.18)時点の純資産額ランキングはこちら。

1、SMTグローバル株 518億2300万円
2、eMAXIS先進国株 325億3200万円
3、ニッセイ外国株 199億7800万円
4、外国株式インデックスe 147億0600万円
5、Funds-i外国株 47億6500万円


これを見ると、ニッセイ外国株が一人勝ちしたことが分かるほか、超低コスト戦争が開幕する前の従来の低コストファンドが意外にも純資産額を維持しており、売却を伴う乗り換え減少が余り見られなかったことが分かります。

その理由は、譲渡益課税です。

●【基礎知識】投資信託の売却を伴う乗り換えをする際の判断基準
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-874.html

上記記事で検討したとおり、たわら先進国株とスリム先進国株との信託報酬差(0.09774%)ですら、売却を伴う乗り換えをすると、含み益が2割あると損をし、含み益が1割に近づいた時点で売却してようやく得をするかどうかとなります。

SMTグロ株やイーマクシス先進国株を保有している人は、既に4~5割を軽く超える含み益がありますので、これらを売却してスリム先進国株を買っても、得られるコスト差以上に、源泉徴収される譲渡益課税相当額を運用することで得られるリターンを失う結果、かえって損をする結果となります。

ならば、私はどうするかですが、私のたわら先進国株の含み益は、本日時点で+16.85%です。
上記記事の試算は、含み益が3割、2割、1割の3種類でしたので、同じ数字を使って含み益が15%のケースで試算してみます(その後、スリム先進国株は更に値下げをしていますが、微差であることから、上記記事の試算結果との整合性を優先させ、値下げ前の報酬差で試算します)。

●含み益が15%のとき

たわら先進国株 1150万円(うち投資元本1000万円、含み益150万円)

(含み益150万円×20.315%=30万4725円が譲渡所得税として徴収される)

スリム先進国株 1119万5275円(投資元本も同額)

売却を伴う乗り換えによるコスト削減効果は、1119万5275円×(0.09774%ないし0.1572%)=(1万0942円ないし1万7598円)

1万0942円÷30万4725円=3.5907%
1万7598円÷30万4725円=5.7750%

このように、譲渡所得税相当額が年3.6~5.8%以上の利益をあげると想定するのであれば、売却を伴う乗り換えをして譲渡所得税相当額を失わないほうが得をするという結論になります。
一般に、先進国株の期待リターンは年5%ですから、含み益が15%のケースでは、たわら先進国株をそのまま保有したとしても微妙に得をする程度であり、余り損はしないであろうことが分かります。

更に面倒なのは、楽天証券では金額売買ができないということです。

楽天証券では、口数売買しかできないため、同日同額売買をしたいとして、たわら先進国株を幾ら売却する注文を出し、スリム先進国株を幾ら購入する注文を出したらよいのかについて、容易に判断することができません。

たわら先進国株の基準価額は1万0740円、スリム先進国株の基準価額は9946円ですから、購入するスリム先進国株の口数の92.6%の口数の売却注文をすれば、一応の金額はあいます。

スリム先進国株1000口=9946円×1000口=994万6000円
たわら先進国株926口=1万0740円×926口=994万5240円

しかし、含み益が15%としたとき、たわら先進国株を売ったお金のうち約26万円は源泉徴収されてしまい、手元に返ってきません。
そのため、口数を基準にして売買金額を決めると、上記のケースではスリム先進国株を26万円多く買いすぎてしまうことになります。

とはいえ、割合で言えば全体の2.6%ほどですから、誤差の範囲内とも考えられます。
また、たわら先進国株を一気に売るのではなく、口数が最後の3%になるまで少しずつ売っていき、最後の3%の口数に相当する売却代金は、スリム先進国株を買わないでそのまま無リスク資産に入れてしまえば、大体の帳尻はあうようにも思えます。

相場が下落して含み益が減ると、多くの人は、私と同様に、昔買ったコスト高の投資信託を売却し、スリム先進国株など超低コスト投信に乗り換えることを検討するはずです。

しかし、たわら先進国株は、超低コスト戦争から脱落したとはいっても、そのコスト水準は税込0.216%であり、相対的には十分に低コストといえます。
売却を伴う乗り換えは手間ですから、たわら先進国株の顧客のうち、果たしてどれほどの人がたわら先進国株を売却してスリム先進国株に乗り換えるのかは疑問です。
また、たわら先進国株のマザーファンドは企業DCで構成されますので、もし予想を超えた多数の顧客がたわら先進国株を売却してその純資産額が激減したとしても、マザーファンドは微動だにせず、たわら先進国株の運用成績やコストに与えるダメージは限定的といえます。

そこで、私は、慌ててたわら先進国株を売却するのではなく、もう少し適正な水準まで含み益が減るのを見守ろうと考えています。
ひょっとしたら、その間にたわら先進国株の信託報酬が引き下げられるかもしれませんし。


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コメント

No title

楽天証券が、口数でなく、金額で売却できれば簡単なのですが・・・・

なぜ、SBI証券では金額指定売却ができるのに楽天証券ではできないのでしょうか・・・

No title

コメントありがとうございます。

>なぜ、SBI証券では金額指定売却ができるのに楽天証券ではできないのでしょうか

技術的に難しいからではないでしょうか。
特定口座に毎営業日積立を導入しない理由も、同じ理由のような気がしています。
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Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●「たわら先進国株」と「VT」を半分ずつ保有中。
●つみたてNISA(SBI証券)は「たわら先進国株」を年初一括購入中。
●クレジットカードによる投信積立サービスを利用し、SBI証券・楽天証券・auカブコム証券で「たわら先進国株」を毎月5万円ずつ購入中。

●無リスク資産は、個人向け国債変動10とauじぶん銀行(金利0.2%)。

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