【特報】サクソバンク証券、年内にも特定口座に対応

外国株取引は、長らく3大ネット証券に独占されていました。
しかし、2か月前、サクソバンク証券がDRIPを武器に衝撃の登場をしました。

●サクソバンク証券、外国株にDRIPを実装するも致命的なデメリットあり
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1037.html
●サクソバンク証券のDRIPは、売買手数料・為替手数料ともに無料
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1043.html

しかし、サクソバンク証券には、

(1)特定口座未対応
(2)入庫も出庫もできない

という致命的なデメリットがあります。私を含め、そのせいで新規開設をしないという人も多かったはずです。

また、致命的ではないものの、

(3)「Form W-8BEN」を3年ごとに提出しなければならない

というデメリットもあります。

今回、これらすべてが解決されます。



※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●「市場サイクルを極める」は最高の本
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1115.html

●つみたてNISAは究極のワイン投資である
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1114.html

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先ほどサクソバンク証券から連絡がありました。

(1)特定口座源泉徴収あり
年内を目標に準備中。ただし、来年にずれ込む可能性もある。

(2)入出庫
来年の前半を目標に準備中。特定口座よりも遅れる見込みであるが、それと並行して準備中。

(3)「Form W-8BEN」
米国に登録手続をすべく準備中。来年には登録できる見込み。

※アメリカは配当金に30%の源泉徴収税を課します。
しかし、「Form W-8BEN」という書類を提出し、米国と租税条約を締結している国の国民であることを証明すれば、10%に減額してくれます。また、証券会社自体が法人登録をすれば、その顧客は「Form W-8BEN」を提出する必要がなくなります。
サクソバンク証券は法人登録をしていないため、その顧客は「Form W-8BEN」を3年ごとに提出しなければなりませんが、来年には法人登録ができる見込みですので、それ以後は「Form W-8BEN」を提出しなくても済みます。
なお、現時点でも購入や入庫前に「Form W-8BEN」を提出することができるそうですので、事前に「Form W-8BEN」を提出し、手続完了後に購入ないし入庫すれば漏れは発生しませんが、3年後に忘れずに再提出しなければならないという手間は残ります。


これは朗報です。
既存の3大ネット証券が吹っ飛ぶ破壊力があります。

DRIP(配当金再投資)は1株単位で行われます。
そのため、1株未満(配当金再投資時のVTが1株70ドルのときは、70ドル未満)の金額は、サクソバンク証券が日本円に交換し(この時点で為替手数料0.2%がかかります)、証券口座に払い出されることになります。

具体的な手順です。
※配当金は個別株、分配金はETFのことです。

(1)配当金・分配金から米国の源泉税10%が差し引かれる。
(2)税控除後の配当金・分配金を使ってその時点の個別株・ETFを1株単位で買えるだけ買う(売買手数料・為替手数料はゼロ)
(3)1株未満のドルは日本円に交換し(ここで0.2%の為替手数料がかかる)、証券口座に日本円で入金される。

配当金や分配金が出される都度、これをサクソバンク証券が自動的にやってくれます(特定口座対応後は、証券口座に日本円で入金する前に日本国の源泉税20.315%が控除され、サクソバンク証券が納税してくれます。また、日本株の配当金は一般口座であっても源泉徴収されるようですが、米国株でどうなのかは私には知識がなく分かりません)。

ちなみに、VTの1株の時価は68.80ドルですから、DRIPできずに払い出される分配金は最大で約8000円(日本国の源泉税控除後は約6400円)となります。

ただし、サクソバンク証券のDRIPは全銘柄に対応しているわけではありません。
対応している銘柄は公式サイトでは公表されていませんので、逐一サクソバンク証券に問い合わせる必要があります。
私の保有銘柄であるVTとVTIはDRIPに対応しているとのことでしたので、特定口座と入庫対応が楽しみです。

なお、あとひとつだけ、未解決の問題があります。
円貨決済しか選択できないという点です。

我々のような長期投資家にとっては、むしろ円貨決済に限定してくれたほうが為替差損益を悩む必要がなくなって望ましいのですが、頻繁に売買を繰り返す人にとっては、その都度、往復の為替手数料がかかってしまうというデメリットがあります。

サクソバンク証券がより多くの顧客を取り込むためには、デフォルトは円貨決済にしつつ、顧客が希望すればドル決済を選択できるようにすることが必要です。
私はどちらでもよいので要望しませんが、サクソバンク証券でドル決済を希望する人は要望してみると対応してくれるかもしれません。


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コメント

DRIPできなかった分は

一株未満の端数を円で口座に入れる際は、国内の譲渡税が適用されると思うのですが、違うでしょうか。
DRIPで再投資される分については米国課税のみだってのは、サクソバンク証券から聞いています。

No title

コメントありがとうございます。

>一株未満の端数を円で口座に入れる際は、国内の譲渡税が適用されると思うのですが、違うでしょうか。

配当金は一般口座であっても源泉徴収されるようですね。
考えてみれば、銀行の利子も勝手に源泉徴収されています。
本文に注記を入れました。
ご指摘ありがとうございました。

こんばんは。
毎日楽しみに拝見しいます。現在、私は毎日eMAXIS slim先進国を積み立てています。

たわら男爵さんは、サクソバンク証券特定口座等の対応が実施された後は、VT積み立てに変更予定ですか?
それとも、他の国内証券会社の対応を待ちますか?

No title

コメントありがとうございます。

>たわら男爵さんは、サクソバンク証券特定口座等の対応が実施された後は、VT積み立てに変更予定ですか?

VTは買い増す予定はありません。

ただし、分配金が3か月ごとにドルで交付されるため、その始末に困っており、DRIPの実装は大変ありがたいと考えています。

>他の国内証券会社の対応を待ちますか?

サクソバンク証券が入出庫に対応するのは来年早々の見込みということですので、まだ数か月の余裕があります。

特定口座といっても様々なものがあります。

楽天証券の特定口座は、株式併合があると一般口座に払い出されて特定口座に戻ることができないという致命的な欠陥があります(過去、VOOは株式併合をしていますので、VTやVTIも安心できません)。

マネックス証券は何があろうと特定口座から払い出すことはしないと明言しており、安心できることから、私はマネックス証券が早期にDRIPに対応してくれることを願っているものの、3か月ごとの配当金に悩まずに済むサクソバンク証券の魅力にやられかけているところです。

No title

SBI証券は住信SBIネット銀行の外貨預金を利用すれば為替手数料が1ドルあたり4銭となり、外貨積立なら2銭です。サクソバンクの1ドル約20銭とは大きな差があるため、この差を考慮しない比較はフェアではないのではないでしょうか。

No title

コメントありがとうございます。

>SBI証券は住信SBIネット銀行の外貨預金を利用すれば為替手数料が1ドルあたり4銭となり、外貨積立なら2銭です。

私は、米国株を買うのであれば、為替差損益を回避するため、事前にドル転はせず、円貨決済で買うべきであると考えています。

事前にドル転をすると、為替手数料が節約できたとしても、ごくわずかであり、急激な為替変動が起こった際に予期せぬ不利益を受けるおそれがあります。
いい塩梅のところで指値をして刺さるまで放置するためには円貨決済でなければ為替リスクが不安で仕方ありません。

このような理由で、私は、為替手数料を節約するために裏技を駆使して事前にドル転すべきではないと考えており、比較の視点からも外しています。

No title

ご返事ありがとうございます。

私はドル転と成行決済をほぼ同時に行うため為替差損益は無視できると考えていますが、指値を刺さるまで待つスタイルとは確かに合いませんね。

サクソバンク証券の今後の動向には私も期待しており、続報をお待ちしております。

No title

革命だな

対応したら記事にしてくれ
即乗り換えるわ
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●「たわら先進国株」と「VT」を半分ずつ保有中。
●つみたてNISA(SBI証券)は「たわら先進国株」を年初一括購入中。
●クレジットカードによる投信積立サービスを利用し、SBI証券・楽天証券・auカブコム証券で「たわら先進国株」を毎月5万円ずつ購入中。

●無リスク資産は、個人向け国債変動10とauじぶん銀行(金利0.2%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

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