つみたてNISAは究極のワイン投資である

私は、つみたてNISA制度ができたとき、つみたてNISA制度について次の説明をし、年初一括投資を推奨しました。

●つみたてNISAは年初の一括投資で骨までしゃぶろう
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-702.html
投資枠は最大で20本です。
最初の1年間の積立買付可能期間で最大40万円を積立買付し、最初の1年を含む最長20年間の非課税投資期間で運用します。
途中売却しなければ、20年の非課税運用期間終了後に課税口座(特定口座か一般口座)に自動的に移管されます。
つまり、つみたてNISAとは、「最長1年の積立買付可能期間+最長20年の非課税運用期間」の枠が20本あるものといえます。
そうすると、非課税運用期間は最初の積立買付可能期間を含めて最長で20年ですので、できるだけ早期に積立買付を終了させたほうが非課税運用期間のメリットを享受することができます。


しかし、金融庁のミスリードもあってか、20年の投資期間があると誤解している人もいます。
投信ブロガーの中にも誤解している人がおり、最近でも、元本割れしたらむしろ喜べというような記事を見ました。

なぜ上記のシンプルな説明が浸透しないのか、私は実は悩んでいましたが、実に簡単な説明を思いつきました。

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これです。

昔からのインデックス投資家であれば、誰でも一度はその著書を読み、感銘を受けたはずです。
インデックス投資界のかつての神、内藤忍さんです。

つみたてNISAは、ワイン投資だと考えてください。
毎年1本、ワインを買います。そして、それを20年繰り返します。

そうすると、20年後、あなたの手元には20本のワインがあることになります。
最も古いワインは20年前に買ったもので、最も新しいワインは1年前に買ったものです。

そして、今度はそのワインを毎年1本、古いものから順番に売ります。そして、それを20年繰り返します。

要するに、20年かけて毎年1本ずつワインを増やしていき、ワインが20本たまったら、今度は20年かけて毎年1本ずつ古いものから順番にワインを売っていくわけです。

それぞれのワインは瓶に入っていますから、1年目に買ったワインと2年目に買ったワインの中身が混ざることはありません。全くの別物です。
同じワイナリーの同じ銘柄のワインを買ったとしても、ブドウの当たり年や醸造の巧拙の関係で、のちに値段が高騰するものもあれば買値より下がるものもあるかもしれません。

つみたてNISAも全く同じです。
スリム先進国株を買い続けたとしても、1年目に買ったスリム先進国株と2年目に買ったスリム先進国株の中身(取得価額)が混ざることはありません。別々に管理されます。
そして、つみたてNISA口座の中で20年たった時点で、自動的に1年分ずつ特定口座に払い出されます。そのとき、20年前よりも値段が上がっているものものもあれば下がっているものもあるかもしれません。

しかし、同じワイナリーの同じ銘柄のワインを20年買い続ければ、それが定評のある銘柄である限り、総じて「買ってよかった」と思えることでしょう。
払った代金以上の満足を得られたのであれば、この戦略は正しかったことになります。

つみたてNISAも全く同じです。
スリム先進国株を20年買い続ければ、スリム先進国株はベストバイファンドですから、20年前よりも値段が下がっていることはまずないでしょうし、万が一20本のうち何本かのスリム先進国株の値段が20年前より下がっていたとしても、20本全部で見たときには払った代金以上のリターンが得られるはずです。

まとめます。

つみたてNISA口座とは、毎年1本の非課税投資枠(ワインの空き瓶)が与えられるので、その瓶にワインを詰めて20年保管し、20年後に1本ずつ手放していく(特定口座に移管される)ということを20回繰り返すものです。

毎年が勝負ですから、元本割れが起こると非常に悲しい気持ちになります。
しかし、ワインのように良い年もあれば悪い年もあると割り切るしかありません。
これぞと見込んだ素晴らしいワイナリーの最高の銘柄(スリム先進国株)を買い続けたいものです。

そして、最後には爆益を眺めつつ、このように祝えれば最高ですね。


ルネッサーンス!!


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コメント

いつもためになる記事をありがとうございます。
私も大勘違いをしていました。
20年後に買った40万円は40年後まで運用できるということですよね。
素人の質問で恥ずかしいのですが、積立NISAは複利で運用できないということでしょうか?

わかりやすい!

No title

コメントありがとうございます。

>20年後に買った40万円は40年後まで運用できるということですよね。

それまで頑張って生き抜くことができれば、そうなります。

>素人の質問で恥ずかしいのですが、積立NISAは複利で運用できないということでしょうか?

ファンドが保有する個別株の配当益(税引き後)は再投資され、値上がり益と一緒にファンドの基準価額の上昇という形で取り込まれていきます。

これが投資信託の複利効果と呼ばれるものです。
つみたてNISA口座では、浮いた税金の分だけ複利効果は大きくなります。

>わかりやすい!

よかったです。

ワイン投資というパワーワードがはやることを期待しています。

知り合いに説明するときに、「ワイン投資」のワードを使わさせていただきます。

No title

たわらルイ53世様、わかりやすい解説ありがとうございました。

No title

恐ろしくわかりやすいたとえですが、「究極のワイン投資」と言われると一気に胡散臭くなって風評被害が出そうです(笑)

No title

コメントありがとうございます。

>知り合いに説明するときに、「ワイン投資」のワードを使わさせていただきます。

ぜひ使ってください。
そして、もしよろしければ、当ブログの宣伝もよろしくお願いします。

「男爵 インデックス」でも「男爵 投資信託」でも「男爵 ブログ」でも1番目に表示されます。

ちなみに、2番目がひぐち君、3番目が山田ルイ53世のオフィシャルブログです。

>たわらルイ53世様、わかりやすい解説ありがとうございました。

ユアウエルカム。

>「究極のワイン投資」と言われると一気に胡散臭くなって風評被害が出そうです

この胡散臭さが何ともたまらない感じがしています。

配当金のでない投資信託をつみたてNISAで買って、特定口座に移管されるとNISAのメリットはありますか?

No title

コメントありがとうございます。

>配当金のでない投資信託をつみたてNISAで買って、特定口座に移管されるとNISAのメリットはありますか?

顧客に配当金を分配しないだけで、ファンド内部では再投資され、その分だけ基準価額が上昇します。

特定口座で運用すると値上がり益の20.315%が源泉徴収されますが、つみたてNISAであれば課税されません。

No title

投資信託初心者です。6~7冊の本を読み、とにかく始めないと理解できないので、9月につみたてNISAをはじめました。今は毎日小額積み立てしています。

その後いくつかのブログを巡回しています。この記事では、全然知っていなかった部分について端的に書かれていて関心しました。
とても勉強になります。

ブログをさかのぼって沢山勉強させてもらおうと思いました。

No title

コメントありがとうございます。

>この記事では、全然知っていなかった部分について端的に書かれていて関心しました。とても勉強になります。

参考にしていただけて良かったです。

>ブログをさかのぼって沢山勉強させてもらおうと思いました。

その際は右端のカテゴリを参考にしていただければと思います。
今後もよろしくお願いいたします。

特定口座とは??

日々に追われ、久しぶりにこちらのサイトを訪れました。いつも勉強になります。
36歳でつみたてNISAを始めてもうすぐ1年になります。来年も年初に一括40万円で購入する予定です。20年後ごとに特定口座に移管されるということは、非課税のメリットを最大生かすには特定口座に移管される直前に引き出す(?)のがベストということなのでしょうか。最初の方の数本以外は、さらに運用していきたいというより生活費に充てたいという思いなので、まだ先の話ではあるのですが、解約のタイミングがよくわからなく質問させて頂きました。
素人過ぎる質問で申し訳ない気持ちですが、教えて頂ければ幸いです。

No title

コメントありがとうございます。

>20年後ごとに特定口座に移管されるということは、非課税のメリットを最大生かすには特定口座に移管される直前に引き出す(?)のがベストということなのでしょうか。

そのまま特定口座に自動移管すべきです。

40万円でかったスリム先進国株が、20年後100万円に上がったら、特定口座に自動移管時の取得価額は100万円となります。
値上がり益60万円には課税されません。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●「たわら先進国株」と「VT」を半分ずつ保有中。
●つみたてNISA(SBI証券)は「たわら先進国株」を年初一括購入中。
●クレジットカードによる投信積立サービスを利用し、SBI証券・楽天証券・auカブコム証券で「たわら先進国株」を毎月5万円ずつ購入中。

●無リスク資産は、個人向け国債変動10とauじぶん銀行(金利0.2%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
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