楽天バンガードのブローカー報酬が激減するも、まだ高い

バンガード社の米国ETFを買うだけファンドである楽天バンガードファンドシリーズ。

先日、第1期運営報告書が公表されました。
1種類の米国ETFを買うだけであるにもかかわらず、その実質コストが非常に高く、多くの投信ブロガーを失望させました。

その内容は、下記記事をご覧ください。

●楽天バンガードが高コストなのはブローカー報酬が高いから
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1034.html


※よろしければ、次の記事もご覧ください。

●楽天ポイントを利用した積立設定の注意点
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1083.html

●【大幅加筆】スリム全世界株(含む日本)がマネックスで発売+日本株は100%先物運用か?
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1084.html

●iFreeS&P500、iFreeダウの実質コスト
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1081.html

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第1期運用報告書からうかがわれるブローカー報酬は、次のとおりです。

楽天全米株 0.1028%
楽天全世界株 0.2208%
楽天新興国株 0.216%
楽天米国高配当株 0.14688%

(参考)スリム先進国株 0.0137%(第1期運用報告書)
(参考)たわら先進国株 0.004%(第2期運用報告書。ちなみに、第1期運用報告書では0.0024%)

文字どおり桁が違いますね。

この原因は明らかです。
すなわち、楽天バンガードファンドシリーズにはマザーファンドがないことから、売買委託手数料(ブローカー報酬)を全てベビーファンド自体で負担しなければならないのに対し、スリム先進国株やたわら先進国株には3000億円規模の巨額のマザーファンドがあるからです。

とはいえ、高コストは高コスト。
これに敏感に反応した投信ブロガーたちは、手のひらを返したように楽天バンガードファンドシリーズを批判しました。楽天バンガードファンドシリーズはもう買わないと宣言した投信ブロガーもいます。

楽天投信投資顧問は、想定外の激烈なバッシングを受け、急きょ、緊急レポートを公開しました。
しかし、下記記事のとおり、その内容は十分とはいえないものでした。

●【追記あり】楽天バンガードが実質コストの緊急レポートを出しました
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1054.html

そして、楽天投信投資顧問は、本日付けで、「運用報告書「1万口当たりの費用明細」の経過について」と題する新たなレポートを公開しました。
https://www.rakuten-toushin.co.jp/news/pdf/20181031.pdf

前回のレポートで懲りたのか、今回は何も余計なことを言わず、単にデータのみを示しています。

「解説は頼まなくても投信ブロガーが勝手にするだろう」

という開き直ったこの態度、私は好きです。

さて、分析してみます。

今回のレポートは、楽天全米株と楽天全世界株の2種類のみの実質コストを公開しています。
計算期間は第1期運用報告書の締め日の翌日から3か月間です。

信託報酬を除くコストのうち、具体的な数字が上がっているのはブローカー報酬だけであり、その他のコストは円未満を四捨五入した結果、ゼロとなっています。

楽天全米株 0.018%
楽天全世界株 0.019%

これは3か月間の数字ですから、年率に直すには4倍する必要があります。

【年率換算】
楽天全米株 0.072%
楽天全世界株 0.076%
(参考)スリム先進国株 0.0137%(第1期運用報告書)
(参考)たわら先進国株 0.004%(第2期運用報告書。ちなみに、第1期運用報告書では0.0024%)

やはり高いですが、第1期運用報告書の数字と比較すると、

楽天全米株 70.03%
楽天全世界株 34.42%

となり、特に楽天全世界株は、ほぼ3分の1に激減しました。

激減した理由は明らかです。
すなわち、この時点では既にベビーファンド自体の純資産額が100億円規模に育っていたことから、コストをベビーファンドの純資産額全体で広く薄く負担した結果、1万口あたりのコストも薄まったためです。

言葉を換えれば、設定当初に多額の資金を投下した顧客は、自分の購入額の売買委託手数料を自分で負担した上で、その後の他人の購入の額の売買委託手数料もまた負担し続けていることになります。

つまり、巨額のマザーファンドを背景としない投資信託を購入するときは、ある程度まで純資産額が集まってからにしたほうが得をするという結果になるわけですね。

ところで、楽天全米株の純資産額は、2018年7月18日(第2期運営報告書の始期)の時点では153億6600万円でした。
また、楽天全世界株の純資産額は、同日時点で107億4700万円でした。

ということは、今後、純資産額の増加とともにブローカー報酬の割合が減っていくことが期待されるとしても、0.072ないし0.076%という数字は相応の純資産額が集まった時点の数字であることから、劇的な減少は期待できないことが推測されます。

0.072ないし0.076%という数字は、スリム先進国株の5.2倍ですから、安くなったとはいえ手放しで喜べる水準ではありません。

安くなったブローカー報酬を前提にして、第1期運用報告書の実質コストを修正してみます。

●楽天・全米株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.1108%
米国ETFの経費率(C) 0.04%
実質コスト(A+B+C)0.2804%

●楽天・全世界株式インデックス・ファンド
信託報酬(A)0.1296%
信託報酬を除くコスト(B)0.1276%
米国ETFの経費率(C) 0.1%
実質コスト(A+B+C)0.3572%(※三重課税コストがこれに加算される)

●eMAXIS Slim先進国株(参考)
信託報酬(A)0.11772%
信託報酬を除くコスト(B)0.07885%
実質コスト(A+B)0.19657%



まだまだ楽天バンガードファンドシリーズの夜明けは遠そうです。


さて、楽天投信投資顧問が、本日、レポートを公開した理由は、明日からFOYの投票が始まるからだと思われます。
スリム全世界株(含む日本)が、本日、新規設定された理由も同様です。

我々は、運営会社が顧客の側を見るようになったことを喜ぶべきです。
そして、運営会社を動かすに至るその源泉は、投信ブロガー有志が始めたFOYにあります。

私は、投信ブロガーの先達が積み上げた成果にタダ乗りしていることを肝に銘じなければならないと考えており、せめてFOYに参加することで、FOYが今後もインデックスファンド界に影響を及ぼす地位でいられる一助になることができれば嬉しいと感じています。

さて、今回も、世界最速で投票するぞぉぉぉぉぉ



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たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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