まず、たわら先進国株の約定日は翌営業日、受渡日は4営業日後(申込日を含む5営業日)です。
外国の株式や債券を対象とする投信の場合、その運営会社は顧客の注文金額に応じた投信の中身(たわら先進国株なら先進国株)を外国市場から調達する必要がありますが、注文を受けた営業日に外国株や債券を調達することはできません。
なぜなら、日本時間の17時までに全ての外国市場が開いていないからです。
ちなみに、アメリカのニューヨーク市場の取引時間は、4月から10月は日本時間の22時30分から翌日5時まで、11月から翌年3月は日本時間の23時30分から翌日6時までです。
したがって、注文を受け、外国市場で調達し、日本円に換算し、新たな基準価額を算出するという手順をたどることになるため、翌営業日の18時ころに更新される基準価額で約定することになります。
同じ証券会社の場合は、その時点(運営会社から送付されたデータを証券会社が反映した時間となるため、タイムラグがあります)で買付余力に反映されます。ただし、既に営業時間外であることから、売却金を新たな買付けに利用できるのは、約定日の翌営業日(申込日を含む3営業日)となります。
これに対し、違う証券会社の場合は、受渡日後に新たな証券会社に資金移動しなければなりません。
出金手続をすると、通常、翌営業日の9時に銀行口座に着金します。そして、新たな証券会社に即時入金すれば、新たな証券会社の買付余力に即時反映されます。
したがって、別の証券会社の場合には、売却金を新たな買付けに利用できるのは、申込日の6営業日後(申込日を含む7営業日)となります。
投信の乗換えは手間と時間が掛かりますが、金さえあればグンと楽になります。
SBI証券で保有していたニッセイ外国株から楽天証券のたわら先進国株に乗り換えるケースを例にとります。
(1)ニッセイ外国株の評価額と同額の現金を用意し、楽天証券の口座に入金する。
(2)SBI証券で、ニッセイ外国株の全部売却を指示する。
(3)楽天証券で、(2)と同じ日にニッセイ外国株の評価額と同額のたわら先進国株の購入を指示する。
(4)注文日の4営業日後にニッセイ外国株の売却金がSBI証券の口座に入金されるので、銀行口座に出金する。
これに対し、米国ETFの乗換えは簡単です。
マネックス証券でVT三分の計(詳細は下記記事をご覧ください)を実行するケースを例にとります。
【VT三分の計】
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-103.html#more(1)VTの地域別構成割合(アメリカ、アメリカを除く先進国、新興国の3種類)を以下のサイトで事前に調べる。
https://advisors.vanguard.com/VGApp/iip/site/advisor/investments/portfoliodetails?fundId=3141※ 上記サイトを見ると、英語が読めなくても、新興国(Emerging Markets)8.6%、アメリカ(United States)52.5%ということはすぐに分かります。アメリカを除く先進国はこれら以外ですから、38.9%となります。
(2)VTを全部売却する。成行きで良い。
(3)ドルの買付余力が瞬時に増えるので、上記(1)の割合に応じて、VTI(アメリカ)、VEA(アメリカを除く先進国)、VWO(新興国)を買い付ける。成行きで良い。
ところで、ある時点の時価総額比で買い付ければ、その後は何もする必要はありません。なぜなら、上記3つのETFは、それぞれの時価総額比の増減に応じて自然に増減するからです。
ただし、追加購入するときは、追加購入時の時価総額比に応じて上記3つのETFに新規購入資金を割り付ける必要があります。
金額が少ないと手数料負けすることから、ある程度の金額になるまでVTを追加購入し、ある程度の金額になったらその時点でVT三分の計を再度実行しても良いかもしれません。
なお、VTの損益はドルではなく円で算定されます。
そのため、ドルベースで含み益が出ていても円ベースで含み損であれば、売却すると確定損となってしまします。損益通算できる確定利益がなければ単純に損をしますので、円ベースで含み益が多少なりとも出ているときに乗り換えるべきです。
※ 計算例では省きますが、VTで分配金を受領しているときは、分配金の3割(日本2割、アメリカ1割)が源泉徴収済です。
そのため、VTの売却損が配当益以下であれば、売却損の2割(日本の取り分)が後日還付されます。
ただし、還付時期は、特定口座内での損益通算が確定した後である翌年の第1ないし第2営業日となりますので、最大で1年近く入金されません。
例
VTの購入価格1100万円(円ベース。以下同じ)
VTの時価1000万円(含み損100万円)
この時点で三分の計を実行すると、
VTI、VEA、VWOの購入価額1000万円(含み損益はゼロ)
20年後、VTI、VEA、VWOの時価が2100万円になった時点で売価すると、値上がり益は1100万円(時価2100万円-購入価格1000万円)となるので、その2割(220万円)が譲渡税。
これに対し、三分の計を実行せずにそのままVTを保有し、VTの時価が2100万円になったとすると、値上がり益は1000万円(時価2100万円-購入価格1100万円)となるので、その2割(200万円)が譲渡税。
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