楽天証券ではこれを買え(前編)

いま楽天証券が熱いです。

9月3日からは、楽天市場のスーパーポイントアップ(SPU)に楽天証券が加わり、1注文500円以上の投資信託の購入(ただし、購入代金のうち1ポイント以上のポイント利用が必要)で楽天市場の全商品に1%のポイント(期間限定ポイント)が付与されます。

また、12月1日(ただし、積立設定は11月12日締切り)からは楽天カード投資が登場し、上限(1か月5万円まで)はあるものの、投資信託の楽天カード決済に対して1%のポイントが付与されます。
しかも、これは通常ポイントですので、このポイント(1か月の上限は5万円×1%=500ポイント)を利用して投資信託を購入することができます。

これらの施策によって、これまで投資信託を購入したことがない多くの人が「楽天証券で投資信託を買ってみよう」と考えるのではないかと思われます。
そこで、今回は、これまで投資信託を購入したことがない人を対象にして、楽天証券で何をしたらよいかを解説します。

なお、後編はこちらからどうぞ。
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1020.html

【2018.9.5 18:25追記】
楽天カードは、本日、楽天カードの利用代金に楽天ポイント(通常ポイントのみ)を利用できる施策を発表しました。
https://www.rakuten-card.co.jp/corporate/press_release/20180905/
これによって、通常ポイントを換金するために投資信託を買うという顧客はこちらに流れることになるでしょう(換金目的で投資信託を購入されると、投資信託の運用に悪影響が及び、その投資信託の保有者にとっては非常に迷惑ですから、これは非常に歓迎できる施策といえます)。

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まず、投資信託とは何かについて説明します。

投資信託とは、信託報酬を支払って「自分の代わりに色々な株の運用代行をしてもらう」というサービスです。
株は、日本だけでなく世界中の国々で発行されています。大抵の株は日本の証券会社を通じて購入することができますが、どの株をいくら買ったらよいかなど、我々素人には分かりません。
そこで、信託報酬を支払って、プロに運用を任せるものが投資信託になります。

この投資信託には、アクティブファンドとパッシブファンドの2種類があります。
アクティブファンドとは、投資信託の運用責任者が「どの株をどれだけ買うか」という投資判断をし、その投資判断に基づいて株を購入するというものです。
有名なアクティブファンドには「ひふみ投信」があります。

しかし、アクティブファンドには、重要な問題点があります。それは投資信託の運用成績が運用責任者の投資能力に左右されるということです。
世界には無数のアクティブファンドが存在します。各運用会社は優秀な人材を投資責任者に任命し、投資成績を上げてより多くの顧客の獲得をめざします。他のアクティブファンドよりも儲かる投資信託にはより多くの顧客が集まるからです。

しかし、重要なのは、「どのアクティブファンドの投資責任者が優秀なのかを事前に予測することは誰にもできない」という経験則があるということです。
過去の投資成績がよかったとしても、将来の投資成績がよいかどうかは誰にも分かりません。投資責任者も人間ですから、加齢とともに能力が落ちるかもしれませんし、社内政治の勝ち負けやプライベートのトラブルがその投資判断を曇らせるかもしれません。よい運用成績を上げ続けたことで社内の地位が上がり、投資信託の運用から離れて別の人が投資責任者に就任するかもしれません。

さらに言えば、全てのアクティブファンドの投資責任者は他のアクティブファンドよりも優れた成績をめざして日々努力しています(自分の投資信託の成績が自分の社内での待遇に影響するからです)。
それなのに、勝つ人もいれば負ける人もいます。株の売買が成立するということは、売ったほうが儲かると考えた人と買ったほうが儲かると考えた人が同じ数だけ存在するということですので、どちらかの判断は必ず間違っていることになります。

昔は、優秀な投資責任者は自分の足で情報を稼ぎ、独自の投資情報を駆使してよい成績を上げていました。
しかし、今はそれをやると法律違反になる可能性がありますし、なにより情報はネットで瞬時に拡散されます。相場に何か不自然な動きがあれば、コンピュータが瞬時にそれをフォローして自動売買をしますので、優秀な投資責任者が勝つことができる余地は極めて限定的です。

このような理由で、アクティブファンドに投資すると、半分は勝ちますが、半分は負けることになります。
しかも、今年買っても来年は負けるかもしれません。勝ち続けるアクティブファンドを見つけることは、干し草の山の中から1本の針を探すことに等しいといわれるほどです。

そこで、パッシブファンドです。
パッシブとは「受動的」という意味ですが、何に受動的かというと「指数」です。

指数とは、指数提供会社が作成しているもので、わが国で有名な指数には「日経平均」や「ダウ」があります。
パッシブファンドは、指数提供会社から指数の情報を買い、指数と同じような値動きになるように株を買っていきます。
パッシブファンドの投資責任者には、アクティブファンドの投資責任者に求められるような特別な才能は一切不要です。指数提供会社から提供された情報に忠実に沿って売買をするだけだからです。

時価総額比の指数の場合には時価に連動しますので、時価が上がれば上がり、時価が下がれば下がります。
株の時価はアクティブ投資家がしのぎを削って売買した結果ですので、時価総額比の指数を採用するパッシブファンドを買うだけで、全てのアクティブ投資家が得たリターンの平均値を得ることができます。

つまり、パッシブファンドとは、「大儲けを諦める代わりに大損を回避し、そこそこの儲けをめざす投資信託」というように整理できます。
ちなみに、「そこそこの儲け」とは、おおむね年5%前後です。年5%の儲けで満足できる人はパッシブファンドを選択すべきです。

では、無数に存在するパッシブファンドのうち、何を買うべきかでしょうか。

買うべきパッシブファンドは、ずばり「eMAXIS Slim先進国株」(イーマクシススリム先進国株。以下「スリム先進国株」といいます)です。
これを楽天カード決済の上限5万円まで買い続けてください。相場が騰がっても下がっても関係なくひたすら買い続け、絶対に売却しないことが重要です。

スリム先進国株は、日本を除く先進国株の時価総額比の指数に連動するパッシブファンドです。
指数提供会社は、世界の国々を、先進国、新興国、フロンティア、それ以外に分類しています。その時価総額比は、おおむね日本を除く先進国80%、日本10%、新興国10%です。
つまり、スリム先進国株を買えば、全世界の株の時価総額のおよそ80%に投資できることになります。

ここで、「なぜ日本を除くのか」とか「新興国には投資しなくてもいいのか」と疑問に思う人もいるかもしれません。

たしかに、理想を言えば、日本や新興国を含む全世界の株に投資できるのであれば投資したほうがよいといえるでしょう。
全世界の株を買っておけば、世界経済の成長をそのまま反映することができるからです。

しかし、残念ながら、全世界の株に投資できるパッシブファンドは極めて数が限定されています。
その中でも最も優れているのは「楽天・全世界株式・インデックス・ファンド」ですが、スリム先進国株よりもコストが高いです(私の推定では、楽天全世界株のトータルコストは年0.39664%、スリム先進国株のトータルコストは0.19657%となります)。

要するに、日本と新興国株を10%ずつ混ぜる代わりに年0.2%のコストアップを受け入れるかどうか、換言すれば、スリム先進国株のトータルコスト0.19657%の2倍以上を支払って日本株と新興国株を10%ずつ加えるかどうかという判断になります。

私は、日本株と新興国株を10%ずつ混ぜるために2倍のコストを支払う価値はないと考えますので、日本株と新興国株に投資できないことに目をつぶってスリム先進国株を推奨します。

なお、スリム先進国株は、今も将来も最安値をめざし続けることを宣言していますので、スリム先進国株を買っておけば、その後にもっと安い先進国株ファンドが出現しても数日程度で対抗値下げを発表してくれますので、悔しい思いをせずにすみます。

また、スリム先進国株のコストに対する強いこだわりが支持を集め、2017年2月27日に新規設定されたばかりなのに、既に200億円以上のお金(純資産額)を集めることに成功しています。
このスリム先進国株は、間違いなく、現在、最も人気があるパッシブファンドといえるでしょう。

後編に続きます。


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コメント

No title

男爵様

eMAXIS Slimシリーズがおすすめなのは納得ですが、

「全世界株式(除く日本)」と「全世界株式(3地域均等型)」についてはどうでしょうか?

https://www.am.mufg.jp/lp/253214/

では、3地域均等型を推しています。

バランスファンドの8資産均等型が人気ですが・・・・ファンド内で自動的にリバランスしてもらえるのでパフォーマンスがよくなるのでしょうか?

No title

コメントありがとうございます。

>「全世界株式(除く日本)」と「全世界株式(3地域均等型)」についてはどうでしょうか?

除く日本の全海外株ファンドは、スリム先進国株+スリム新興国株を合成ファンドよりも高コストです。

また3資産均等型は非常に特異であり、スマートベータ指数に類似する胡散臭さを感じます。純資産額も壊滅的ですし。

>バランスファンドの8資産均等型が人気ですが・・・・ファンド内で自動的にリバランスしてもらえるのでパフォーマンスがよくなるのでしょうか?

債券が8分の3も混ざっていることをどう考えるかということでしょうね。
私は、メインの投資先にするには債券が多すぎ、利上げによって深刻なダメージを被るリスクがあると考えています。
債券投資に否定的でなければ、メインファンドにできる良いファンドであることは間違いありません。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(マネックス証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入。
●松井証券で「Slim全世界株リバランス積立」の毎営業日1万円投資を実行中。
●楽天証券で「たわら男爵15種」の毎月2回100円投資を実行中。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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