この投資信託がすごい(2018年7月、バランスファンド編)

「この投資信託がすごい」バランスファンド編の更新版です。

このシリーズは、インデックスファンドのうち、私が最高だと考えるものをご紹介するというものです。

それでは、さっそく最優秀バランスファンドの発表です。


【この投資信託がすごい(目次)】
※スリムシリーズの第1回運用報告書を踏まえ、順次更新していきます。
※先進国株、新興国株の記事にニッセイ及びスリムの値下げを反映しました。

●先進国株(現物株ファンド)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-945.html#more
●先進国株(ETFを買うだけファンドとの比較)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-798.html#more
●新興国株(現物株ファンド)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-946.html#more
●新興国株(ETFを買うだけファンドとの比較)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-796.html#more
●TOPIX
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-947.html#more
●ダウ
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-615.html#more
●全世界株
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-810.html#more
●eMAXIS Slim全世界株vsVT
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-745.html#more
●eMAXIS Slim全世界株vs楽天全世界株
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-740.html#more
●バランスファンド
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-957.html#more

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●eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

信託報酬 0.17172%(税抜0.159%) ※2018.7.25から引き下げ
実質コスト 0.23072%(うち信託報酬を除く部分は0.059%)
純資産額 130億9900万円(2017年5月9日新規設定)
マザーファンドの規模 
日本株 2759億5800万円
先進国株 3329億8500万円
新興国株 497億3400万円
日本債券 4571億1700万円
先進国債券 1324億3000万円
新興国債券 166億7600万円
日本REIT 169億8300万円
先進国REIT 185億5100万円

圧倒的な低コストです。
しかも、ベビーファンドの純資産額は100億円を超えていることから、早期償還のリスクはなく、安定運用を期待することができます。

ところで、バランスファンドは、

(1)先進国、新興国、日本
(2)株、債券、REIT

を組み合わせ、9種類の資産の配分比を変えることで独自性を出しています。

配分比の変え方は、

(1)時価総額比
(2)GDP比
(3)均等配分
(4)その他

の4種類に分けることができます。

時価総額比の代表格はセゾングローバルバランスファンド、GDP比の代表格は世界経済インデックスファンド、均等配分の代表格はイーマクシススリムバランスになります。

ただし、セゾングローバルバランスファンドのアメリカ株はS&P500指数に連動しており、厳密な意味での時価総額比ではありません。
しかも、セゾン投信は、セゾングローバルバランスファンドは「指標インデックス をなぞることだけ」を目指すのではなく、「超過リターンを追求するために真摯に最善を尽くす」アクティブファンドであるとの宣言を行っています。

●アクティブファンドとは何か(セゾングロバラはやっぱりアクティブファンド)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-602.html

また、世界経済インデックスファンドは、2016年12月末、不可解な配分比の変更を行いました。
http://www.smtam.jp/shared/pdf/report_column/HP__20161228_.pdf

これまでは、先進国55、新興国35、日本10の配分比だったのですが、先進国60、新興国30、日本10に変更しました。
上記のリンク先の説明文を見ると、この変更はGDP比が変更されたことによるものではなく、新興国から先進国にマネーが流れそうだというファンドマネージャーの将来予測に基づくもののようです。
ちなみに、上記リンク先には2016年のGDP比が記載されていますが、それによれば、先進国54.8、新興国38.9、日本6.3ですから、GDP比を貫くのであれば、日本を減らして新興国を増やさなければなりません。

しかも、GDP比といっても、先進国、新興国、日本の内部の構成比は時価総額比ですので、世界経済インデックスファンドは、時価総額比で構成されている各マザーファンドの保有率をGDP比にしただけのものでしかなく、時価総額比とGDP比が混ざった中途半端なものとなっています。

このように、世界経済インデックスファンドには、

(1)時価総額比の既存マザーファンドを利用しているため、例えば、先進国株と新興国株の保有率はGDP比だが、先進国株内部(例えば、アメリカとイギリス)では時価総額比であり、中途半端

(2)組み合わせ比率についても、GDP比を貫くのではなく、ファンドマネージャーの相場観を反映させている

という2つの問題点(自らのコンセプトに忠実ではないという意味)があります。


このように、セゾングローバルバランスファンドも世界経済インデックスファンドも、いずれもインデックスファンドではないアクティブファンドですから、我々のようなインデックス投資家の投資対象とはなりませんが、この点を措くとしても、実は、時価総額比、GDP比、均等配分というコンセプトは、実は大した問題ではありません。

「わたしのインデックス」というサイトがあります。
http://myindex.jp/
このサイトには「資産配分ツール」があり、自分の好きな配分比でシミュレーションができます。

上記ツールを利用して計算したリターン、リスク、シャープレシオ(いずれも過去20年の年率平均)です。
※シャープレシオ:リターン÷リスク。この数値が高いほど1リスクあたりのリターンがよいことになる。

4資産均等 4.3 10.0 0.43
8資産均等 6.2 12.7 0.49
セゾングロバラ(5資産時価総額比) 5.2 12.6 0.41
世界経済(GDP比) 5.9 13.6 0.43
VT(全世界株、時価総額比) 5.7 18.8 0.30
(参考)先進国株 5.5 19.1 0.29

シャープレシオだけを見れば8資産均等型が最も優秀であることが分かります。
とはいえ、8資産均等型は、5資産時価総額比、GDP比のバランスファンドと比べて、隔絶して優秀であるとはいえません。

しかし、確実に言えることは、コストはリターンをむしばむということです。
その意味で、スリムバランスの税抜0.159%という超絶な低コストは非常に魅力的です。

トータルコストの比較です。

●スリムバランス 0.23072%(うち信託報酬を除く部分は0.059%)
●セゾングロバラ 0.676%(うち信託報酬を除く部分は0.177%)
●世界経済インデックスファンド 0.623%(うち信託報酬を除く部分は0.08%)


また、将来、どの資産が値上がり、どの資産が値下がるかは誰にも分からない以上、全ての資産を同じだけ買っておくという戦略をとれば、どれかが下がってもどれかは上がりますので、平穏な気持ちをもってリスク市場に居続けることができ、稲妻が輝く瞬間を逃さないという効果も得ることができます。

というわけで、イーマクシススリムバランスは、

(1)全てのバランスファンドの中でコストが最安であること
(2)8資産均等というコンセプトは安心できる戦略であり、リスクリターン比も極めて優秀であること

から、私は、これまでバランスファンド部門の最優秀ファンドとしていました。


ところで、2018年7月3日、「楽天・インデックス・バランス・ファンド」が7月20日に新規設定されるというニュースに接しました。

●楽天・インデックスバランス・ファンドが登場(7/20~)
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-955.html

しかし、スリムバランスと比較するとコストが高すぎます。

●スリムバランス 0.23072%(うち信託報酬を除く部分は0.059%)
●楽天インデックスバランス
株式重視型 0.2446%
均等型 0.2546%
債券重視型 0.2646%

楽天インデックスバランスは、上記のほか、さらに0.05%前後の信託報酬を除く実質コストがかかります。
また、債券部分はアイルランド籍の投信を利用しており、三重課税コスト問題は回避することができますが、為替ヘッジコストがかかります。為替ヘッジコストは金利差の影響を受けるため、事前に推定することはできませんが、現在のドル円の為替ヘッジコストは2%といわれています。
そして、株式部分はVTを買っているため、三重課税コスト問題をもろにかぶります。VTの三重課税コストは推定0.11704%です。

これらを加えるとこうなります。

●スリムバランス 0.23072%(うち信託報酬を除く部分は0.059%)
●楽天インデックスバランス
株式重視型 0.2446%+0.05+0.081928=0.376528%+為替ヘッジコスト
均等型 0.2546%+0.05+0.05852=0.36312%+為替ヘッジコスト
債券重視型 0.2646%+0.05+0.035112=0.349712+為替ヘッジコスト

スリムバランスの2倍とはいいませんが、為替ヘッジコストを抜きにしても、1.5倍から1.6倍ものコストがかかってしまいます。
上述したとおり、時価総額比でも8資産均等でも大差がないことから、コストが非常に重要です。
そのため、最優秀バランスファンドという観点からすると、スリムバランスに軍配が上がります。

また、最近、ニッセイが4資産均等、6資産均等、8資産均等のバランスファンドの信託報酬を0.159%に下げる旨を発表しました。
しかし、ニッセイの運用能力には疑問があること、特に新興国株は新設のマザーファンドであり安定運用を期待できないことから、信託報酬が同額であればスリムバランスを選択すべきです。
そのため、最優秀バランスファンドの座はスリムバランスから動きません。


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コメント

No title

はじめまして。

2週間前にこちらを見つけ、とても参考にさせていただいております。

まず自己紹介ですが

仕事のストレスが尋常でなく今年度末、58歳で早期退職することにしました。

独身、子どもなし、老母と二人暮らし、持ち家ありです。

現在、現金として5500万円があります。

自営をしていた期間が長かったため
65歳からの年金は毎月14万円です。

これに毎月10万円を資産から取り崩していく予定で、
65歳から95歳まで30年間、そのためには3600万円が必要です。

そして65歳までですが、
今のところ老母が健在なため、
母の年金を光熱費などにあてられるため
当面は毎月10万円取り崩していけば
生活できるため
その期間のために1000万を当てる予定です。

1000万円と
65歳から95歳までの3600万円をあわせても
1000万はゆとりがあり、
予備費として考えています。

さて本題です。

現在、手持ちの現金が5500万円ほどあるなか
早期退職を決意した一ヶ月前から
資産運用についていろいろと調べた結果、
銀行に預けるより
インデックスファンドに投資するのが賢いと
目から鱗のように考えるようになりました。

そしてその勢いで
SBI証券の口座を開設し
評判が良さそうなeMAXIS slim先進国を
1000万買いました。

その後、
インデックスファンドにも
リスクが当然あることを意識するようになり
残り3000万円は
慎重に
eMAXIS slimバランスに積立投資しようと
考えるに至りました。

そこでアドバイスをいただけたらと思うのですが

毎月積立投資をする場合、
5年(60ヶ月)かけるのが安全だとのことですが
私のような58歳から始める場合、
まとまった資金を生かす意味でも
どれくらいのペースで投入するのが妥当なのでしょうか?

一年(12ヶ月)なのか
もう少し長めに2年(24ヶ月)なのか

そのあたり
まだ勉強中のため、見当がつきません。

お忙しいところですが
よろしくお願いします。






No title

コメントありがとうございます。

>現在、手持ちの現金が5500万円ほどあるなか
早期退職を決意した

もう決定事項であれば「がんばってください」としか言えませんが、まだ考え直す余地があるのであれば、ストレスを感じない限度でボチボチ働き続けたほうがよいと思います。

今後、毎月10万円ずつ継続的に切り崩していくのはかなりのストレスになると思うからです。
現代社会は金があれば何不自由なく幸せに暮らすことができますが、金がないと不幸になります。

私は、5500万円は死ぬまで安心して生活できる金額ではないと考えますので、もし同じ立場であれば早期退職はしないでしょう。

そして、1か月前にインデックス投資を思い立ち、手持ち資金が5500万円しかないのに1000万円を一括投資した上で、これから更に3000万円を1年か2年でスリムバランスに投入したいとのことですが、早すぎます。

おそらく「10年前から始めればよかった」とか「せめて3年前に始めれば1.3倍になった」という雑念が投資行動に出ることを急き立てるのだと思いますが、暴落すると半分以下に減ります。

4000万円を投入した後に大暴落が発生し、含み損が2000万円とか3000万円になったとき、そのままホールドし続けることができるとは思えませんし、ホールドし続けたとしても、毎日、含み損が気になって気になって仕方がなくなる生活が数年から10年程度続く可能性があります。もしそうなってしまったら、余生が台無しになってしまいます。

私ならば、

1、つみたてNISA口座で、毎年2月13日(今年はできだけ早期に)スリム先進国株を40万円一括購入していく

2、特定口座で、毎営業日1~2万円ずつ、スリム先進国株を購入していく


でしょう。

その間に暴落が来れば安値買いができることを喜び、右肩上がりの相場が続けば含み益が暴落のダメージを和らげてくれます。




No title

早速のアドバイス、心からありがとうございました。

インデックスファンドは
10年位で見ていけば損はしない…
ローリスクでやっていけば
2%位のリターンは想定できる…

などと安易に考えていましたが
やはりお金に振り回される可能性も考慮して
アドバイスに従って
少額でやっていきたいと思います。


早期退職については
健康面からも今の職場からは離れていきたいと思います。

1~2年のんびりして
ちょっとした小遣い程度の仕事を見つけるかもしれませんが、基本、節約生活で行こうと思います。



さて、勢いで eMAXIS slim先進国に投じた
1000万ですが

今のところ利益が出ているようなので
100万を残して
撤退しようかと考えています。

7月31日に購入して
8月8日現在、

保有口数 8458414
取得単価11823
基準価額11999
評価損益 +148868

となっています。

はじめてのことで勘違いをしていたら…
と思い
確認なのですが

900万を売却する際
税金約20%と信託報酬を差し引かれた金額が
戻ってくるという理解で
間違いはないでしょうか。

あるいは、この件でアドバイスがありましたら
よろしくお願いします。






No title

コメントありがとうございます。

>今のところ利益が出ているようなので100万を残して撤退しようかと考えています。

そうしたほうが良いと思います。
手持ち資金をリスク市場に投入する際は、5年程度の時間をかけてやるべきです。

>900万を売却する際税金約20%と信託報酬を差し引かれた金額が戻ってくるという理解で間違いはないでしょうか。

信託報酬は、日々、純資産額から控除されます(基準価額は、信託報酬控除後の金額です)。
900万円の金額指定で売却すると、おそらく手取りが900万円になるように調整され、900万円+含み益の20.315%の合計額を売ったことになると思います。

No title

いろいろお世話になりました。

インデックスファンドについて知ったのは
ほんの一ヶ月前のこと。

同時期に自分の資産を調べたら
思いもかけず、まとまった金額があったので
インデックスファンドに飛びついてしまった
ということですが

少し冷静に資産運用について
一から学んでみたいと思います。
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は、たわら先進国株(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)はeMAXIS Slim先進国株を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資はeMAXIS Slim先進国株を毎月5万円購入(+特定口座で4万円×4回=毎月16万円の積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、大和証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

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●「誰でもできる超簡単ほったらかし投資」(カテゴリ「【公開】誰でもできる究極の投資」)はこのブログの全エッセンスを1記事に凝縮したものです。
●カテゴリ「この投資信託がすごい」では、ベストバイファンドの具体名を明示しています。
●カテゴリ「インデックスファンドの基礎知識」を読めば、誰でも簡単に投資信託の必須知識を得ることができます。

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