タカタが民事再生、株主はどうなる?

本日、タカタが民事再生の申し立てをしました。
プレスリリースです。
http://www.takata.com/pdf/17062604_JP.pdf#search=%27%E6%B0%91%E4%BA%8B%E5%86%8D%E7%94%9F+%E6%A0%AA%E5%BC%8F%27

この中で、面白いQAがあります。

Q3:申立を決定したのはいつか。
A3:平成29年6月26日の申立を行う直前に、当社ら取締役会で正式に決定いたしました。

ここでのポイントは「正式に決定」という箇所です。
取締役会決議をしなければ「正式に決定」したことにはならないため、マスコミ等からの問合せにもとぼけることができます。
もちろん「正式に決定」する前に、裁判所には申立書が提出され、監督委員候補者にも申立書が送られているからこそ、申し立てた日に裁判所が監督委員を選任することができているわけです。

「正式決定」しなかったおかげで、こんなコメントを出すことができました。

タカタは6月22日、「6月23日か26日に民事再生法の適用を申請する」との一部報道について、「現時点において当社として何ら決定した事実はございません」と発表した。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1066768.html

では、株主はどうなるのでしょうか?

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まず、民事再生ではなく会社更生であれば、原則として100%減資されます。

※民事再生と会社更生の違いは、従来の経営陣がそのまま経営を続けるか(民事再生)、管財人が全てを掌握するか(会社更生)という点になります。

100%減資とは、株式の価値が100%なくなる、すなわちゼロになることです。
財産よりも借金のほうが多いため、法的整理手続に入ったわけですから、端的に言えば、会社には金がありません。誰かにスポンサーになってもらい、事業資金を工面する必要があります。
しかし、スポンサーにしてみれば、従来の株主がいたのでは損です。なぜなら、株式の理論価値は会社の清算価値を発行済株式総数で割った金額であるため、発行済株式数が少なければ少ないほど1株の価値は高くなるからです。
そこで、既存の発行済株式を全て無価値にした上で、新たに株式を発行し、スポンサーに割り当てることで、スポンサーになってもらいやすくします。

民事再生は、会社更生と異なり、裁判所(管財人)が経営の実権を握るわけではありませんので、発行済株式をどうするかは会社の判断に任されています。
しかし、会社にとっても、お金を借りるより株式を割り当てるほうが有利ですから(元本を返さなくてもよいため)、スポンサーに来てもらうやすくするため、100%減資をするという選択をすることになります。

タカタの創業家が私的整理にこだわり、法的整理に最後まで抵抗した理由は、創業家の力の源泉である株式が100%減資によってゼロになることをおそれたからだと推測することができます。

タカタ株の今後の流れです。

【確定情報】
(1)本日、終日売買停止。整理銘柄に指定。
(2)7月26日まで、整理銘柄として売買が可能。
(3)7月27日、上場廃止。

【ここからは予想】
(4)100%減資が決定。既存株が無価値に。
(5)スポンサーに新株を割当て。
(6)再上場。

タカタは、創業家の保有株式がゼロになる覚悟で民事再生の申し立てをしましたが、創業家は会長兼社長として経営の実権を握ったままです。
これに対し、大幅な債権カットを強いられる債権者からの強い反発が予想されます。
このまま民事再生で踏ん張れるのか、あるいは会社更生や破産に移行するのかが見所ですが、いずれにしても株式は無価値になるでしょう。

タカタといえば、わが国を代表する超優良企業の代名詞でした。
チャイルドシートの世界でも非常に有名で、うちのチャイルドシートはタカタ製です。
あのタカタがこんなことになるなんて、誰も予想できなかったといえますが、インデックス投資をしていれば何も心配する必要はありません。

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コメント

勉強になりました

昔からのホルダーとしては、創業者と同じくできれば100%減資は避けて欲しいところですが、再復活のためならそれもやむなしですね(T_T)

No title

コメントありがとうございます。

>昔からのホルダーとしては、創業者と同じくできれば100%減資は避けて欲しいところです

残念でしたね。
私も、原発事故当時の東電を300万円ほど保有していた経験がありますので、その悲しさは理解できます。

まさかタカタがこのようなことになるとは誰も想定していなかったはずであり、個別株投資のおそろしさを改めて感じました。
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●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
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