運用会社が低コスト化の逆風に直面

日経新聞電子版2019/7/22 20:30の記事を見ました。

●運用会社に低コスト化の波 10社中7社減益、19年3月期
公募投資信託の残高が大きい主な運用会社10社の2019年3月期は、7社が最終減益となった。投資信託の手数料引き下げ競争が激しく、収益を圧迫する。毎月分配型などかつての人気投信からの資金流出も逆風だ。
背景にあるのが株価指数などに連動するパッシブ運用の拡大だ。公募株式投信のうち、パッシブ型の純資産総額は19年3月末時点で49.6兆円と前年同月末から15%増え、アクティブ型(51.9兆円)に迫る水準に拡大している。市場平均を目指すパッシブ運用は銘柄を選別するアクティブ型に比べて手数料が大幅に低く、残高が増えても報酬は伸びにくい。
三菱UFJ国際投信やニッセイアセットマネジメントは6月末に一部のインデックス投信の信託報酬を年0.1%以下にした。「積み立て投資の増加でパッシブ型が伸びているが、収益的には厳しい」(運用会社幹部)
顧客がメリットを享受できる手数料の引き下げは今後も続く見通し。運用業界では「投資家層を広げていかなければ、収益力は低下していく一方だ」(アセットマネジメントOne)との危機感も強い。


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これは当たり前のことです。

ナンバーワン先進国株インデックスファンドであるニッセイ外国株の信託報酬は税抜0.0999%ですが、そのうちニッセイアセットマネジメントの報酬はわずか0.0354%です。

ニッセイ外国株は、先進国株インデックスファンドとしては前人未到の1273億円もの純資産額を誇りますが、そこから得られるニッセイアセットマネジメントの年間売上額はわずか4500万円にすぎません。
これだけ見ても、インデックスファンドの運用が割に合わない商売であることが分かります。

しかし、インデックスファンドは、特定の指数をベンチマークとし、それに追随することを目指すものですので、リターンの多さで顧客を引きつけることはできません。
運用技術の巧拙は目に見えにくい以上、結局のところはインデックスファンドの先駆者であるバンガード社がしているように低コストを売りにするほかありません。

それを最初にしたのがSMTシリーズとイーマクシスシリーズでしたが、これらはニッセイシリーズのコスト水準についていくことができませんでした。

その後、企業DCが中心だったDIAM(現在のアセットマネジメントONE)が既存の巨額のマザーファンドを買うだけファンドという新たなコンセプトを思いつき、たわらノーロードシリーズを個人客向けに販売して一定の成功を収めます。
たわらノーロードシリーズのマザーファンドは個人客向けではなかったことから、たわらノーロードシリーズは個人客から手放しの礼賛を受けることになりました。

ニッセイやたわらを始めとする超低コストファンドの登場に危機感を抱いた三菱UFJ国際投信は、個人客向けを含むマザーファンドを買うだけファンドを安売りするという劇薬に手を出すことを決意し、イーマクシススリムシリーズを売り出すわけですが、案の定イーマクシスシリーズの既存顧客から怨嗟の声を受け、最初は伸び悩みました。
しかし、スリムシリーズは、米国ETFを買うだけファンドを叩き売るという驚愕のコンセプトで登場した雪だるまシリーズにも対抗して信託報酬を引き下げたことで個人客の心を鷲掴みにして現在に至ります。


その結果としてどうなったかと言えば、


安売りしないと売れないから安売りしたものの、安売りすればするほど儲けが減っていく


という負のスパイラルに陥ってしまったわけです。

顧客を増やしたい→他社より安売りして顧客を誘引する→他社の対抗値下げを招く→他社より更に安売りする


あとはこの繰り返しです。

たわらノーロードシリーズが一足先に超低コスト戦争から離脱し、対面販売をする証券会社や金融機関と手を組んだ理由は値下げの連鎖を嫌ったからでしょう。
しかし、たわらノーロードシリーズは、元々は低コストを売り文句にして登場しました。
私のように低コストに魅力を感じてたわら先進国株を買った顧客は、新規資金は他社ファンドに投じつつ、相場の暴落で含み益が消えるのを待ってたわら先進国株を売却して他社ファンドに乗り換えるチャンスを虎視眈々とうかがっている状況にありますから、私は、たわらノーロードシリーズの方針転換はうまくいかないのではないかと考えています。


ならばどうすればよいか?

記事では、たわら先進国株の運用会社であるアセットマネジメントONEのコメントが引用されています。


「投資家層を広げていかなければ、収益力は低下していく一方だ」


しかし、投資家層を広げるための絶好のツールだったつみたてNISAは、所管する金融庁が2000万円問題で炎上してしまったことで今以上の盛り上がりを期待することはできなくなってしまいました。

相互リンク先の虫とり先生は、

インデックス投資はなぜマイナーなのか、どうすれば広まるのか
https://mushitori.blog.fc2.com/blog-entry-477.html

という記事を書いていますが、投資はクチコミでは絶対に広まりません。

なぜなら、余計なことを言って相手が損をすると恨まれるだけで、言った人が得をすることは何一つないからです。
私もブログを書いているだけで、リアルでインデックス投資を勧めたことは一度もありません。

全体のパイを増やすためには誰かが旗を振らなければなりませんが、最大の旗の振り手だった金融庁は急速に求心力を失い、関係者一同は息をひそめて死んだふりをしています。
先日の参院選挙の比例区で最大得票数を得た山本太郎は、消費税を廃止し、配当所得や譲渡所得の総合課税化を唱えるとんでもない奴です。

まだまだ夜明けは遠いようです。

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コメント

投資するためには余剰資金が必要。そして投資の夜明けを迎えるためには生活に余裕を持たせることが必要。消費税を廃止し、配当所得や譲渡所得の総合課税等により格差の是正を図ろう。夜明けまで過ごすためには家を、家を持つには優良なセメントが必要なのだ。

ド素人の質問ですいません。
総合課税化だと、どんなデメリットがあるんですか?

No title

たわら男爵 様

いつも見させてもらっている初心者です。
今回の記事で理解できない部分がありました。

「相場の暴落で含み益が消えるのを待ってたわら先進国株を売却して他社ファンドに乗り換える」という部分ですが、

いずれ乗り換えるのであれば、今含み益がある間に売却してその時を待つ方がいいように思うのです。
どう考えたらいいのでしょうか。
お時間が許せばご教示をお願いします。

No title

コメントありがとうございます。

>消費税を廃止し、配当所得や譲渡所得の総合課税等により格差の是正を図ろう

麻生さんはそんなことは言わないと思いますよ。

>総合課税化だと、どんなデメリットがあるんですか?

税金が増えます。

現状では分離課税のため、一律20.315%です。
しかし、総合課税になると、他の所得(給与所得、事業所得等)と合算され、超過累進課税がなされます。

なお、特定口座源泉徴収ありにしておくと、配当所得については総合課税で確定申告し、住民税は申告不要制度を利用することもできますので、いいとこどりをすることができます。
私はこのやり方で、VTやVTIの分配金の所得税(15.315%)の全額還付を受けています。

>いずれ乗り換えるのであれば、今含み益がある間に売却してその時を待つ方がいいように思うのです。

暴落しない可能性もあるからです。
また、暴落したとしても、その底値が今の時価よりも高いかもしれません。

そのため、売却を伴う乗り換えは、同じ日に売りと買いを同時に行う必要があります。

> 麻生さんはそんなことは言わないと思いますよ。

まさにこのサイトで言っているのだよ(゚⊿゚)

今回の選挙は自民の候補者に票を入れましたが、次回は「安楽死」に投票の予定です。

No title

なぜなら、余計なことを言って相手が損をする恨まれるだけで、言った人が得をすることは何一つないからです。

→なぜなら、余計なことを言って相手が損をすると恨まれるだけで、言った人が得をすることは何一つないからです。


「と」が抜けているのでしょうか?

押忍!

ネタの一部に使ってくださり、ありがとうございます!

実際のところ、ホント夜明けは見えませんね。。


……たわら男爵さんの「つみたて兄さん」プランはかなり面白いと思うのですが(笑)

No title

コメントありがとうございます。

>まさにこのサイトで言っているのだよ

麻生太郎財務相は23日の記者会見で、参院選で争点の一つとなった消費税増税について「消費税率の引き上げは最初から申し上げてきた。その意味では信任をいただいたと思う」と述べた。

>今回の選挙は自民の候補者に票を入れました

自民党の力が弱まれば譲渡所得や配当所得に課税されてしまいますので、私はずっと自民党です。

>「と」が抜けているのでしょうか?

ご指摘ありがとうございます。訂正しました。

>たわら男爵さんの「つみたて兄さん」プランはかなり面白いと思うのですが

虫とり先生、コメントありがとうございます。

YouTubeの広告収入で大半の経費をまかなおうという野心的なプロジェクトだったのですが、三菱UFJ国際投信が金を出してやってみたら面白いのになと思っています。

No title

> 麻生太郎財務相は23日の記者会見で~~

勘弁してくれ……金持ちを優遇すると政権として公言しなければいけないのだから公の場ではそう言うしかないだろう……
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プロフィール

たわら男爵

Author:たわら男爵
Painter:ますい画伯
http://www.masuitousi.com/

ブログ開始日 2016年3月1日

●リスク資産(6割)は「たわら先進国株」(楽天証券)とVT(SBI証券)をほぼ50:50でホールド中。
●つみたてNISA(SBI証券)では「たわら先進国株」を年初一括40万円購入。
●楽天カード投資(毎月1日)では「たわら先進国株」を毎月5万円購入(+特定口座で11日と21日に各5万円ずつ積立買付中)。
●SBI証券で「インデックスマラソン」の毎営業日100円投資を実行中。

●無リスク資産(4割)は、個人向け国債変動10(みずほ証券、SMBC日興証券)と楽天銀行(金利0.1%)。

パソコン版右端の「ブログ記事検索」と「カテゴリ」が便利です。

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